Pink Floydの代表作「The Dark Side Of The Moon」を発売50年後の今アルバムの作詞者であるRoger Watersが再構築した「The Dark Side Of The Moon Redux」が発売。

「オリジナルの『The Dark Side of the Moon』は、ある意味、人間の現状に対する年長者の嘆きのように感じられる。しかし、曲を作ったとき、Dave、Rick、Nick、そして私はとても若かった。だから、80歳の知恵が再解釈に何をもたらすかを考え始めたんだ。最初にGusとSeanに『The Dark Side of the Moon』の再レコーディングの話をしたとき、みんな私が狂っていると思った。でも、考えれば考えるほど、『肝心なのはそこじゃないよね』と思ったんだ。半世紀の時を超えて手を取り合い、堂々とオリジナルと並べることが出来る作品に仕上がったことを、私は非常に誇りに思っている」とRoger Watersはライナーで語っている。

 

発売前のインタビューでRogerは、本作のオリジナル・アルバムは自分の作品だ、と語っていたが、ライナーでは3人のメンバーに対する賛辞を載せているが(反省したのか、強要されて書いたのか)。

Pink FloydのメンバーであるNick Masonは、本作は悔しいけれど素晴らしい作品だ、とコメントしていたが、オリジナル・アルバムを知った我々が聞くと何か物足りない印象を受ける。

インストルメンタル部分やソロ演奏部分は殆どRogerの語りで埋め尽くされ、Rogerのヴォーカルも近作で聞かれるような囁き語りかけるような唄で、淡々と曲が進行していく印象。

「The Dark Side Of The Moon」のOther Sideの作品と割り切って聞くことを勧める。

 

なお本作のLPフォーマットには、最終トラックとして、再レコーディングにインスパイアされた13分のオリジナル曲「Original Composition」がボーナスとして収録されている(今現在聞いてはいないが)。