おはようございます!
前回の鎖骨骨折の患者さんの経過報告です。
受傷後6日ですが、
夜間痛、安静時痛なし
辛いのは固定による痒み。。
ご家族の方が傷病について理解し、
患者さんの衛生面で特に協力
いただいております。ありがとうございます。
整復固定の動画も撮らせていただきました。
鎖骨骨折の固定は
あまり強固すぎると
神経、血管を圧迫してしまい二次的な障害
発生の恐れがあります。
逆に緩すぎると骨片の整復位保持が難しく
なんとも厄介なケガなのですが、
先日、対診いただいたドクターに見解を
伺ったところ、本症例は第3骨片(下部レントゲン画像)が存在し血流が遮断されていないため
多少ずれていようが骨折部への栄養状態も悪くなりにくく、予後は良好であることがほとんど、との事でした。
受傷翌日のレントゲン画像上で
距離計測してみると約1.82㎝離開しています。
その後当院で整復したあとのエコー画像がこちら↓
(この度無理を言ってエコー貸していただいた富士フィルムさんありがとうございました
画質も良くとても使いやすいです→超音波画像診断装置SonoSite M-Turbo)
画像上はまだズレがありますが、
大分改善したかとは思います。画面計測上は0.78cm
触診では骨折による段差はかなりなくなっていました。
整復後はつい3日前に導入したLIPUS(低出力超音波)オステオトロンVにて加療
骨の形成を促進し、治療期間を約40%も短縮してくれます
現在の固定状況です。
画像では写っていませんが上肢の重みが近位骨片(首側)に上方から圧がかかるように
テーピングもしています。
夜間就寝時の痛みは大分楽になったそうですが、
受傷後まだ6日。再転位に注意しながら
LIPUS治療で
骨癒合促進継続していきます
考察としまして、この鎖骨骨折
いずれは治癒して、肩の運動機能上、問題ない
としても保存療法を選択したからには、
やはり元の状態に限りなく近づけた
状態で骨癒合を図りたい!
のが僕の思いで、
患者さんの思いも一致しています。
肝となるのはやはり遠位骨片の短縮、下方転位をいかに予防できるか。
そのためには前回も触れましたが腋窩枕子で患側上肢と固定することで
短縮転位の除去・予防が最重要課題です。
患者さんの
日常生活の過ごし方も重要です。
肩が前に入らないよう、就寝時には背中に
タオルを入れるなどして、なるべく胸を
張った状態をキープする。
患者さんのADL(日常生活動作)回復のため、
苦痛をなるべく早く取ってあげたいと思います。