「かもめと、ぼーっと。」
釣れないときは、堤防でただ海を眺めてぼーっとしています。
最近では、その時間がけっこう好きだったりします。
まわりに釣り人がいない日には、鳥たちがよく遊びに来てくれます。
きっと、ぼーっとしている私を見て「こいつ、警戒しなくていいやつだな」と思ってるのでしょう(笑)
この日はかもめが一羽やってきて、撒き餌(パン粉+麦+オキアミ)をつついては、
すぐそばにちょこんと座り、一緒に海を見ていました。
どこかに飛んでいったかと思えば、また戻ってきてエサをついばみ、
そしてまた並んでぼーっと。
はたから見たら、人と鳥が並んで座って海を見ているという、ちょっと不思議な光景だったかもしれません。
釣りを終えて片付けをしていたら、そのかもめが堤防の根元まで並んで歩いてくれました。
まるで見送りのように、50mほど一緒にてくてく。
ちょっと胸が温かくなりました。
もう一羽の鳥も名前はわかりませんが、
他に誰もいない堤防に、ふらりとやってきました)。
竿も動かしていないので、バッカン(撒餌入)と釣り竿の上を行ったり来たり。
遊びにきたと思ったら消えて、また30分後に戻ってきたりと、自由そのもの。
釣れなくても、こんなふれあい(?)があるなら、それで満足なんだと思います。
昔は釣れないと、次の釣行までずっとイライラ・ソワソワしていたものです。
でも最近は、ただ海を見ているだけで十分満たされるようになってきました。
特に惹かれるのは、やっぱり南の海。
自分の遠い先祖はきっと南方系だったんだろうな、なんて思ったりします。
そういえば、ゴーギャンや田中一村の絵にも惹かれるんです。
光と色の気配が、どこか自分の中の何かと共鳴している気がします。
釣りは魚を釣るだけじゃない。
ただ「海と同じ目線でぼーっとする時間」こそ、釣りの醍醐味なのかもしれません。