以前、村上春樹とスピリチュアル②まで書きました。

今日はそれのちょっと補足です。




①でちょっと触れましたが、

村上春樹さん自体は、どっちかというと現実主義なんじゃないか?

スピリチュアルに関心はあまりないのでは?

と書きました。



でも、エッセイなどを見ると、ちょっと不思議な体験も書かれてたりします。




例えば、村上さんが小説家になる前にジャズバーを経営していた時のこと。


当時はけっこうな借金を抱えて店を始めていたとのこと。



ある時、資金繰りが苦しくなり、このままいくと不渡りを出してしまうかもという月があったそう。



そんな時、とぼとぼと道を歩いていると、くしゃくしゃになったお札を拾って、数えてみるとちょうど銀行に払わなければならない金額と一緒だった。



当時はものすごく困っていたらしく、警察に届けずにそれを使って返済にあてたのだそう。




これって、けっこうな引き寄せだと思いませんか?


本人は「シンクロニシティみたいなもの」が起こったと書いてます。






また、村上さんが小説家になろうと決めた時のエピソードもちょっと不思議です。


これもジャズバーを経営していた時のこと、

休みの日に近くの神宮球場でプロ野球観戦をしていて、

ある選手が二塁打を打った時に


「あ、小説書こう」


と思ったんだそう。


そして帰りに万年筆と原稿用紙を買ってきて、

毎日コツコツと書いた作品が後のデビュー作である「風の歌を聴け」ということだそうです。



なぜ選手が二塁打を打った時にそんな事を思ったのか、本人も分からないようで、

「ひとつの啓示のようなもの」

と書かれています。


これもなかなか興味深い話ですよね。




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※どちらのエピソードも、この「職業としての小説家」というエッセイに書かれてます。






こういうエピソードを聞くと、

村上さん本人が自覚してるかどうかは別として

けっこうスピリチュアル体質な人なのではないかと僕は思います。


じゃないと、小説の中であんな魂の本質に迫るような心理描写はできないのではないかと思います。


日本だけでなく世界中の人々を物語の力で魅了する小説家は、やっぱり常人とは違う感覚の持ち主なのかもしれませんね。





 
というわけで、
3回に分けて書いてきた、
村上春樹とスピリチュアルシリーズは
今回で最期です。


おそらく村上さんはこれからも骨太な小説を何本も出していかれるでしょう。


次はどんな世界観に連れて行ってくれるのか、
どんな暗闇を見せてくれるのか。


今からほんと楽しみです。


それまでは、今までの作品を読み返して気長に待とうと思います。



騎士団長殺し辺りは、もう一回読んでみるのにいい時期かもしれないなぁ。。。