●殺される順序

 

 


今日は何を書こうかと、ニュースを見ていると、

 

 

成人の日に予約した振袖が届かないという被害が相次いで起きているという。

 

 

ニュースによると、横浜にある着物の販売・レンタルの会社「はれのひ」が、

 

 

突然店を閉めて、行方をくらましているという。

 

 

ニュースでは触れていないが、もし、既にレンタルされて手元にあるのであれば、

 

 

それは「はれのひ」には返却せずに、被害者の会に郵送して欲しいと思う。

 

 

被害に遭った方々は、災難だったと思うが、

 

 

成人の日からつまづいたとは思って欲しく無い。

 

 

着物を購入予約した方は、大変な金額のロスだが、レンタル被害を受けたのであれば、

 

 

世の中には、こういう事があるという教訓にして欲しい。

 

 

例えば、1万円以上の出費の時は、会社の悪い噂は無いか、ネットの噂は無いか、

 

 

一応確認する事で、防げた方も居るだろう。

 

 

そんなこれから世間に出て行く前に、良い教訓になったと財産にして欲しい。

 

 

これから会社に勤め始めると、良い事ばかりとは限らない。

 

 

そんな時、落ち込むのではなく、悪い事を教訓と捉え、前進できる人になって欲しい。

 

 

 

 

 

 

さて、

 

成人の日と言うと、この日から大人の仲間入りとなり、就職する人もいるだろう。

 

 

そこで今日は、そんな就職したばかりの女性から来た相談を取り上げてみます。

 

 

 

 

 


ある時、

 

広告会社に新入社員として就職した女性から電話相談がありました。

 

 

彼女の名前を、晴美さんとしておきましょう。

 

 

彼女は高校生の時に、父親を病気で亡くし、

 

 

以来、妹さんと母親の3人暮らし。

 

 

お母さんは、パートを2軒受け持ち日曜も無いという感じで働き、

 

 

2人の娘を育ててきたそうです。

 

 

そんな中、晴美さんが晴れて働ける様になって、

 

 

これからは、少しでも母親が楽になる様にと就職したのでした。

 

 

 


ところが、晴美さんが就職してから、約4ヶ月が経った時、

 

 

ある問題が起きたのです。

 

 

それは、晴美さんが働いている部署に、幽霊が出たというのです。

 

 

幽霊を見たのは、その部署で働いている若手社員の2人でした。

 

 

彼らは日曜日に取引先の方とゴルフ接待をした後、一度会社に戻り、

 

 

部署があるフロアーのドアを開けた時でした。

 

 

本来なら、誰も居ないはずの日曜日の午後なのに、

 

 

フロアーの窓際のデスクの前に、一人の中年の男性が立っていたそうです。

 

 

頭はやや薄毛でメガネをかけたスーツ姿の男性だったそうです。

 

 

明らかに普段見た事が無い人物だったので、彼らは声をかけました。

 

 

「失礼ですが、どなた様ですか?」

 

 

すると、そのスーツ姿の男性は、深々とお辞儀をするだけで何も話さなかったそうです。

 

 

そこで、体格の良かった若手社員達は、これはおかしいと思い、

 

 

そのスーツ姿の男性の方に近寄って行ったそうです。

 

 

しかし、二人が近づいていくと、そのスーツ姿の男性は、どこにも居なかったのです。

 

 

まるで煙の様に消えてしまったそうです。

 

 

この出来事は、若手社員や女子社員の間でアッと言う間に広がりました。

 

 

社員の噂では、以前自殺した人の幽霊ではないか。

 

 

はたまた、このビルが建つ時に亡くなった職人がいるとか、

 

 

いや、病気で亡くなった部長の怨霊ではないかという話が飛び交ったといいます。

 

 

そして、この不思議な話で一番困惑したのが、晴美さんでした。

 

 

なぜなら、そのスーツ姿の幽霊が現れた場所が、

 

 

晴美さんが普段使用しているデスクの前だったからです。

 

 

 


晴美さんは、まだ入社してから4ヶ月と新人だったので、

 

 

仕事自体も大変な時で、その上この噂が出たので、どうしたらいいか分からず、

 

 

何か供養でもした方がいいのかと、電話相談してきたのでした。

 

 

 

 

 

 

 

この幽霊相談だが、1つ問題があったので、晴美さんにこんな質問をしてみた。

 

 

それは、普通怪奇現象で電話相談してこられる方は、

 

 

本人が幽霊を見たとか、変な音を聞いたとか、家族が見たとかだが、

 

 

今回の場合、肝心の晴美さん本人は、幽霊を見ていない。

 

 

そこで、彼女に、幽霊を目撃した二人の社員の事で質問したのである。

 

 

「その二人の若手社員って、真面目な方ですか?

 

 よくウソをつくとか、イラズラ好きとか、

 

 貴方の事を嫌っているとか、今までにもそうした話をした事がある人ですか?」

 

 


しかし、晴美さんいわく、二人の若手社員はともに真面目な人で、

 

 

今までそういう噂を流したという事は聞かないという。

 

 

 

 


そうなると、2人が同時に見たという現象は、やや信憑性が出て来る。

 

 

 

では、二人が目撃した幽霊は誰かという問題になる。

 

 


そこで彼女にこんな質問をしてみた。

 

■社員の方が話す、自殺した人って、どんな人?

 

■ビルが建つ時に亡くなった職人って、どんな人?

 

■病気で亡くなった部長って、頭はやや薄毛でメガネをかけてた?

 

■今までにも、幽霊が出た?

 

 


すると、自殺された方は女性だったという。

 

また病気で亡くなった部長は、メガネをかけていなかったという。

 

しかし、ビルが建つ時に亡くなった職人の風貌は誰も知らないという。

 

そして、この会社に幽霊が出たというは、今回が初めてだと言う。

 

 

 

 

 

 

この時点で、事の真相が分かる方は、さすがでございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、幽霊の謎を解く前に、

 

 

晴美さんが、他にも新入社員としての悩みを聞いて来たので、

 

 

彼女には、こんなアドバイスをしたので、一緒に書いておきます。

 

 

まず、新入社員として気を付ける事とかありますか?には、

 

 

■いつも手帳と筆記用具を持ち歩く事。

 

予定や気を付ける事、その日あった事などを書く。

 

学生も出来た人は、ノートと予習が凄い人が多かった。

 

 

■あと、もう1つ。

 

会社の財産は人です。

 

どんな会社に入社しても、必ず出来ない上司や尊敬出来ない社員はいるものです。

 

でも、どんな人でも必ず良い所はあるはず。

 

だから、飲み会や集まりで、上司や仲間の批判があっても、

 

貴方だけは悪口を言わずに、「でもいい所もあるよ。」言える人になって下さい。

 

かつて、野球の名門ヤンキースでプレーした松井秀喜選手は、

 

日本でもアメリカでも、仲間はおろかメディアにも好かれた人でした。

 

そんな彼は、小さい頃から人の悪口を言った事が無いといいます。

 

ある時、ヤンキースの試合で、3塁守の仲間が明らかなエラーをして負けてしまいました。

 

明らかな凡ミスだったので、

 

メディアはボロクソに。仲間さえもあれは無いな。と彼を責めました。

 

しかし、松井さんだけは、あれはしょうが無かったと彼を擁護したのでした。

 

これから先、どんなに出来ない上司や社員が現れるかもしれません。

 

そんな時、その人の良い所だけを見て、みんなの悪口にはのらない。

 

小さな事ですが、そういう態度は松井選手の様に、体からにじみ出るのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あと、彼女は始めて社会に出たので、

 

 

基本的なマナーとかが難しいと言いました。

 

 

例えば、タクシーに乗る時に、どこに乗ったら、いいのかとか、

 

 

会議室を取った時に座る位置とか。料亭に摂待した時に先方が座る場所とか。

 

 

エレベーターに乗った時に、どこに立ったらいいのかとか。

 

 

 


確かに、社会人としての座る位置のマナーには難しい所があります。

 

 

どこが上座なのか、どこが下座なのか。

 

 

暗記しても、いざその場に出会うと思い出せなかったり、

 

 

同じ場面でも、3人と5人では違ったり。

 

 

 


そこで彼女には、暗記しなくていい様に、

 

 

一度聞いたら、二度と忘れない方法をアドバイスしました。

 

 

それは、

 

 

「殺される順序」です。

 

 

ちょっと物騒ですが、心の中での事ですから、

 

 

これで暗記しなくてもいいと思えば、楽だと思います。

 

 

 


例えば、こういう会議室があったとします。

 

特に良い景色とか値打ちのある絵画があるという訳では無い普通の会議室とします。

 

 

そこに同じ椅子が6個あります。この上座はどこかという問題。

 

 

少し考えてみてから、先に進んで下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こういう場合、人数によって違ってきたりしますから、暗記するとど忘れしがちです。

 

 

そんな時、私はよく「殺される順序」で覚えるといいよ。と教えています。

 

 

窓から良い景色が見えるとか良い椅子とかで変わってくると思いますが、

 

 

これはあくまで基本です。

 

 

「殺される順序」とはどういう事かと言うと、

 

 

もし、上の会議室の殺し屋がやってきて、全員を殺そうとした時、

 

 

一番先に殺されるのは、出入り口に一番近い人です。

 

 

そして、殺し屋が一番殺しにくい場所は、出入り口から一番遠い場所となります。

 

 

つまり、下の様に、

 

殺し屋が一番殺しやすい場所が下座。殺しにくい所が上座となります。

 

 

 

 

 

 

 

では、エレベーターの場合はどうでしょうか?

 

 

これは良くある場面ですね。

 

 

 

 

 

エレベーターの場合、1人で乗ると、まず操作盤の前に立ちますよね。

 

 

そこへ社長が入って来たら、当然貴方の後ろに行きますよね。

 

 

そして、そこに殺し屋がドアから入って来たら、

 

 

最初に殺されるのは、操作盤の人で、次に操作盤の後ろにいる社長となります。

 

 

4人なら、最初にインターホンで連絡され無い様にまず操作盤の前の人を殺し、

 

 

次に前の3番が刺殺され、それに近い2番が続いて殺されます。

 

 

最後が1番となります。

 

 

 

 

 

 

では、タクシーの場合はどうでしょうか?

 

 

これもよくありそうですよね。

 

 

 


タクシーの場合、殺し屋が来るよりも交通事故の方が危険です。

 

 

そこで、タクシー事故によって、殺される順番になります。

 

 

まず危ないのは、助手席です。そこで助手席が下座の4番。

 

 

安全なのは、当然運転手の後ろなので、運転手の後ろが1番で上座。

 

 

残る2つを考えると、2番の人の前に助手席の人がいるので、3番よりも安全です。

 

 

すると、下の順序となります。

 

 

 

 


いずれも基本的な考え方ですので、

 

 

色々な諸事情によって変わって来るでしょうが、それでもこの法則さえ知っていれば、

 

 

例え間違っても、「もし、殺し屋が来たらと思ったら、そこの方が安全だと思いました。」

 

 

と言い訳すれば、許されるはずです。

 

 

 

 

 

 

さて、だいぶ話が脱線してしまいましたので、

 

 

元に戻しましょう。

 

 

 

 

 

 

さて、ある日、清美さんのデスクの前に、

 

 

頭はやや薄毛でメガネをかけたスーツ姿の男性の幽霊を、

 

 

若手社員二人が目撃したという現象。

 

 

 

 

 

私の考えを言うと、

 

 

まず、社員達が言う自殺した人やビル建設の時に亡くなった職人や、

 

 

病気で亡くなった部長では無いだろうと、清美さんには言いました。

 

 

なぜなら、自殺した人は女性だし、亡くなった部長はメガネをかけていない。

 

 

それはビル建設で亡くなった職人なら、普通職人姿で出るものです。

 

 

スーツ姿となると、何となくイメージが違います。

 

 

 

 

では誰でしょう?

 

 


やはり、一番気になるのは、清美さんのデスクの前に現われたという事です。

 

 

そこで彼女に、

 

 

「亡くなられたお父様って、薄毛でメガネかけてて、スーツを着る人だった?」

 

 

と聞くと、そうだと言います。

 

 

 


しかも彼女に、普段の生活とかを聞くと、

 

 

よく仏壇の前でお父さんに就職した事とか、その後の仕事の事などを、

 

 

声を出して話していたといいます。

 

 

私はそれを聞いて、

 

 

ああ、お父様が心配して、清美さんが働いている場所に来てみたのだな。と思いました。

 

 

愛する娘や孫が、新しい門で頑張っている時、

 

 

仏壇や写真の前で、声を出して報告していると、

 

 

時々、心配になって、働いている場所に、ふいっと現れる事があるのです。

 

 

 


それは、若手社員の方々に深々とお辞儀したのにも現れている様な気がしました。

 

 

 

 

 

「ふつつかな娘ですが、

 

 どうか、よろしくお願い致します。 」

 

END