いま一番欲しいものいま一番欲しいもの。お櫃。檜のお櫃。お櫃の中で一晩寝かせ、檜の薫りがゆんわりと落ち着いてきたご飯。しっとりと冷たくなったご飯は、噛めば噛むほど、その優しい甘み、わずかに酔いしれる。時を経て、何かを失い、何かを得た味わい。時間と素材のなせる技。一度味わってしまった、美味いなあ、の余韻は、ずっと身体に、心に、彷徨い続けてる。そのご飯で、塩むすびなぞこしらえたら、さぞや美味いでしょうなあ。。ああ、お櫃がほしい。あの方が、いつか譲ってくれないだろか。