黒ひげのブログ
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歯科医院には何かある!

「歯科医院ではなぜ新型コロナウィルス感染症のクラスターが出ないのか?これは何かある!」と言った知事もいらっしゃいましたが、その答えをここでお話ししましょう。そこには3つのポイントがあります。

①歯科医院での治療対象患者ってどんな患者!

そもそも、歯科医院に来られる患者さんはむし歯や歯茎の調子の悪さや、親知らずが腫れたとかそれ以外にも口腔領域にデキモノがあったりというような症状で来ているのです。「風邪気味で体調が悪い」とか「インフルエンザかも」とか「発熱している、コロナかも」とかいうことを主訴に来られる患者さんはいないということです。コロナやコロナかもという発熱患者が治療対象者ではなく、たまたま歯科治療に来た患者さんがコロナ感染していたというケースしかコロナ患者を診るというのは一般的には考えられないのです。ここがクラスターが出ない大きな理由の一つです。無症状コロナ患者が来ているのなら、濃厚接触による感染者が出てもおかしくないじゃないか!と思われる方もいるかと思います。

そこで第2のポイントです。

 

②いつも通りの感染対策。感染症はコロナだけじゃない!

歯科医療を行う上で、感染症対策は今に始まったことではありません。唾液や血液、歯の切削行為などによるB・C型肝炎やHIV(エイズ)への感染の危険に対抗するため、滅菌したりディスポのものを使ったりと、これでもかというほどの滅菌を行っております。当院でも4台の滅菌器を駆使して、熱に弱いものはこれで、熱に強いものはこれでという風に使い分けて滅菌しております。ゴーグルもとうの昔から使用していますし、マスクに関してはいうまでもありません。安心安全の医療のために、もともと従来からやってきていたのです。そのため、一般外来のレベルでいえば、どの診療科より滅菌にうるさい診療科なのです。そのため、コロナに関しても強い防衛線ができていたと考えられます。

 

③予約制が「密」の回避

診療科を内科系と外科系に分けるとしたら歯科は外科系診療科です。投薬などで終わることが少なく、ほとんどが処置を施さなければ治らないものです。そのため、一度にたくさんの患者さんが待合室に来られると、1時間待ち、2時間待ちなんで十分ありうることになります。そこで、ほとんどの歯科医院は予約制、または予約優先制をとっていると思います。同じ時間に患者さんが集中しないように振り分けて、こちら側も、患者さん側もお互いがスムーズに治療が進むように考えたやり方です。これが計らずとも待合室の「密」を避けることに貢献しています。他の診療科がすぐに同じように予約制でというのは難しい部分もありますが、(一部すでにやられているものもありますが)歯科医院での予約制システムは、他科の診療体制におけるクラスター予防のヒントになるものと思います。

 

ここまで読んでくださったあなたは、中々の粘り強さを持つしっかり者です(笑)

 

一応まとめておきます。歯科医院にはクラスターになりにくい理由があった!!

①そもそも歯科医院はコロナ感染症本丸を治療をするところでない

②消毒・滅菌に費やすパワー

③予約制(予約優先制)のシステム

もちろん細かなことをいえば、クリニックの規模や換気システムの状況など色々あるかとは思います。ですがこの上記3つのポイントが最も重要な点だと考えます。

 

口腔内の汚れは感染症に対する抵抗力の低下に繋がります。感染しやすくなっていますということです。

口腔は消化器官の入り口で、かつ呼吸器(肺)とも繋がっています。皆さま、感染症リスクの低いあなたのかかりつけ医のもとで定期的健診を行ってください。きっとあなたの幸福度(口福度)を上げてくれるはずです。

 

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