昨日は『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の旅』を日付が変わる頃に読破し、そのまま色々なことを考えつつ、浅い眠りについた。


空が明るくなった3時40分頃に目が覚めて、用を足し寝床に戻ったが、眠気はなかった。


本能的に暖かいものが欲しくなり、朝の開放的な温泉に繰り出したのだった。


温泉後は宿の周りを散歩する為、宿の外へとひっそり降り立った。


そこにはひんやりとした冬の空気が充満し、私を徐々に包み込みながら冬の世界へといざなう。


その寒さの中、ぼんやりと周りを見渡すと一頭の鹿がいることに気付く。


あちらさんは私の存在をとっくに把握していて、私のことをずっと見つめている。


鹿は脅かさない限り逃げず、人間と一定の距離を常に保とうとする。


しかしながらこの鹿は人間慣れしているらしく、他の鹿よりも距離が短い…そんな鹿でもその距離を縮めようものなら一気に駆け抜けていく。


距離を取る鹿さん
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振り返る鹿さん(おはよう鹿さん、さようなら鹿さん)
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一旦、鹿と別れを告げ再び鹿のテリトリーに侵入を試みる。


鹿が何処にいるのかは音で分かる。


必ず鹿の動きに合わせて何らかの音がするからだ。

例えば枯れ葉を踏む音、鹿の叫ぶような鳴き声etc…


私は完全なる部外者で、いくら同じ動物というカテゴリーであっても、鹿からは歓迎されない。


そんな鹿達を感じつつ、目的地である福寿草の咲く場所に到達した。


夜明け前の為、まだ眠っている福寿草
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鹿達は福寿草の存在を遺伝子レベルで毒のある食べてはいけないものと認識している。


人間は毒きのこを遺伝子レベルで嗅ぎ分けることが出来ない…


しかしながら毒きのこは凄く美味しいらしい、美味しいから嗅ぎ分けられないのか??


もちろん死の淵から蘇った人の感想だが。



遠くからは大白鳥達の楽しげな歌声が聞こえてくる…


そうここは大自然の中なのだ。