1.大規模停電への備え

①大規模停電発生時の大和市の取り組みについて

■市長

 平成30年北海道胆振東部地震では火力発電所の停止により、急激に電力需給バランスが崩れ、最大で約295万世帯が停電し、公共インフラにも重大な打撃がありました。

 また、令和元年台風15号では、千葉県を中心に強風によります大規模停電が発生し、復旧までに非常に長い期間を要しています。

 最近では今年の5月13日に横浜市、川崎市を中心として、送電線の損傷を原因とする停電が発生し、小田急線が一部不通になるなどの影響が出たことも記憶に新しいところです。

 このように大規模停電は様々な原因により、いつなんどき発生するかわからない状況ですので、本市としては災害対策本部を設置する市役所本庁舎や市立病院、避難所となる市立小中学校の体育館をはじめ、主要な施設に自家発電装置を設置するなど、大規模停電の発生に備えた取り組みを行っているところです。

 また、市民の皆様に対しても、懐中電灯や電池の備蓄、防災情報等を取得するためのスマートフォン等の予備バッテリーの用意をお願いするとともに、共同住宅では、停電による断水に備えた水の確保など、きめ細かい啓発を防災講話などの機会を捉えて行っているところです。

 

②市役所の非常用電源について

■総務部長

 平成30年度に設置した本庁舎の非常用発電機は、国が推奨する72時間を超える稼働が可能な能力を有しております。

 

③市民に供給できる電源について

④非常時の通信手段について

■市長

 北海道の大規模停電の教訓として、市民、職員を問わず個人で所有するスマートフォン等による通信手段が、災害情報の収集や連絡業務に大変重要な役割を果たしています。こうした状況も踏まえて、学校等の避難所やシリウス、ポラリスなどの駅周辺施設については自家発電装置の設置とともに、スマートフォン等の充電ケーブルを備蓄するなど、停電時にも多くの方の情報端末に給電できるよう備えているところです。

 また、これらの自家発電装置で電力が不足する場合に備えて、電力会社に対し、電源車などの移動電源を供給するよう発災後、速やかに要請を行っていきます。

 さらに、通信基地局の被災等による通常の通信手段が遮断された場合も、他の自治体や関係機関との連絡のため、衛星電話及び優先系と衛星系に対応した神奈川県防災行政通信網を使用するとともに、各施設に配備したMCA無線により通信手段を確保していきます。

 今後も大規模停電の教訓を踏まえ、備蓄等に関する啓発を進め、電源設備や通信手段の確保、訓練などソフト、ハードの両面から大規模停電への備えに努めていきたいと考えております。

 

⑤市立病院の非常用電源について

■病院事務局長

 当院では、大規模停電が起きた場合でも、医療の提供を継続できるよう、72時間を超える稼働に必要となる非常用発電機用の重油を備蓄しております。また、停電時に瞬時に作動する無停電電源装置を備えているため、非常用発電機が稼働するまでの間も主要な設備、医療機器等の電気が途絶えることはありません。

 

⑥無線電話によるEMIS接続について

■病院事務局長

 当院では、通常の通信回線が使用できない場合にも、広域災害救急医療情報システムEMISへの接続が可能になるよう、衛星電話を2台保有しております。院内で毎年実施している防災訓練の際には衛星電話を用いたEMISへの接続や入力方法の確認を行うなど、非常時に迅速に対応できるよう訓練に努めているところです。

 

⑦電源が切れた場合の重症患者等の搬送体制について

■病院事務局長

 災害拠点病院である当院において、非常用発電機の備蓄燃料が不足する場合には優先的に供給されることになっております。万一、災害等の状況により、燃料の供給がされず電源が喪失し、重症患者等の治療が困難になった場合には、EMIS等の体制が整備されていることから、当院としてもそれらを活用し、県等との連携のもと、迅速に患者搬送を行っていきます。

 

2.終活支援

(1)終活支援の意義について

■市長

 今年はこれまで社会、経済、社会保障から文化まで強い影響を与えてきた団塊の世代の方々が後期高齢者に差し掛かってくる起点の年と言われております。いよいよ高齢者の方が多くを占める時代が到来してきます。また2040年時点で65歳に達した男性の約4割の方が90歳まで、女性の方の2割が100歳まで生存すると言われています。本格的な人生100年時代に突入しようとしています。

 そうした中で、ご自身のこれまでの生き方を振り返り、心残りの事柄を整理する「終活」に取り組むことは、その後の人生を前向きに過ごすために大切なことです。

また、葬儀や納骨、医療や介護に関する自身の希望、財産の振り分け方などを事前に決めておくことは、残された方々の負担を軽減するだけでなく、将来への不安を払拭することにもつながります。

 終活はご自身の死と向き合い、人生を俯瞰する尊い作業であり、「健康都市やまと」を掲げる本市は、それぞれの方々の気持ちや考え方というものを重視しながら、終活に取り組む市民に敬意を表し、全力で支援していく所存です。

 

(2)本人の気持ちや考え方をより重視した終活支援の拡充について

■市長

 本市では平成28年に終活支援事業を開始しました。開始してからこれまでに、1000件を超える相談が寄せられましたが、その内容は葬儀、納骨、医療や介護、遺言書やエンディングノートに関することなど、多岐にわたっています。

 人生の最後の意思を遺言書やエンディングノートなどに記しておくことは、ご自身だけでなく残された方々にとっても大切なことではないかな、と思います。

本市ではこれまで、相談窓口において、エンディングノートの紹介や書き方のサポートを行ってきました。

 今年度はこうした支援をさらに拡充し、文化創造拠点シリウスで毎月第1火曜日に開催される「健康都市大学月イチ学園祭」の終活ブースにおいて、エンディングノートの書き方講座を開催するほか、司法書士や葬祭事業者などの専門家を招き、遺言書や相続、葬儀、後見制度などについて学ぶ講座なども開催していきます。

 我が国日本は世界で最も早く超高齢社会に突入しておりますが、本市大和市はこの未曽有の歴史的事象に対して、世界のお手本となるような終活モデルを打ち立てるべく勇往邁進し、一人になってもひとりぼっちにさせない社会を実現していく所存です。

 

 

3.主に南部地域の道路整備・交通関係

(1)福田相模原線(福田地区)

①原福田跨線橋に関する検討の進捗状況について

■街づくり施設部長

 福田相模原線福田地区の新幹線上にかかる原福田跨線橋については、昨年度のJRとの協議において、竣工から50年以上経過しているため、設計基準や幅員等の構造について確認を行った結果、維持管理を行う上での老朽化対策を含めた整備方針を改めて検討するようJRから要請がありました。

 今年度は跨線橋の構造設計委託を実施しながらJRと協議を進める予定であり、現時点では跨線橋の整備方針などは確定していない状況です。

 今後、JRと協議を重ね、構造や整備手法が定まった場合、竣工にかかわる時期や費用が明確になってきますが、新幹線にかかるJRとの協議は他市の事例からみても相当の時間を要することが想定されますので、今後も引き続き協議を重ね、着実に事業を進められるよう取り組んでいきます。

 

(2)県道丸子中山茅ヶ崎線

①道路整備の進捗状況について

■街づくり施設部長

 県道丸子中山茅ヶ崎線の整備状況については、県道の拡幅工事を進めるなか、市道光が丘久田線と市道久田山谷線、県道の3路線の変形交差点における改良工事が令和3年10月に完了しました。現在は改良工事が終了した交差点から境川へ向かう道路の北側において、埋蔵文化財の発掘調査を行っているため、工事を中断しておりますが、調査完了後においては、引き続き歩道の整備工事を行う予定と神奈川県から聞いております。

 また、用地においては約80%の取得状況ですが、残りの20%は様々な課題により用地取得が困難な状況であるため、事業認可期間について令和2年度末から令和7年度末まで延伸されました。

 今後も引き続き、神奈川県及び県道丸子中山茅ヶ崎線道路整備促進協議会と連携をはかりながら、一日も早い事業完成に向け、市としても協力していきたいと考えております。

 

(3)小田急線の人身事故

①大和市内における小田急線のホームドア整備の進捗状況について

■街づくり施設部長

 大和市内における小田急線のホームドアについては、現時点では全駅未整備ですが、小田急電鉄は1日の利用者数10万人以上の駅に優先して設置する方針を示しており、大和駅及び中央林間駅について整備計画が示されております。

 中央林間駅については、鉄道駅総合改善事業において現在、ホームドア設置のためのホーム補強工事を実施しており、令和6年度にホームドアの整備が完了する予定となっております。その他の駅についても、引き続き早期設置を小田急電鉄に対し要望していきたいと考えております。

 

②踏切事故が多い箇所への踏切障害物検知装置などの設置の働きかけについて

■街づくり施設部長

 小田急電鉄においてはこれまでも、踏切事故の未然防止策として踏切内の異常を接近する列車に知らせる非常ボタンのある安全設備の設置や踏切のカラー舗装化などの対策を行っております。

 議員ご提案の踏切障害物検知装置などについては、小田急電鉄が踏切通行量のほか地理的条件等を総合的に勘案して設置し、全体の安全施策とのバランスと取りながら推進すると聞いており、市としても小田急電鉄との街づくりでの連携をはかるなかで、これらの踏切における安全対策についても要望していきます。