7日は大和市議会の臨時会が開かれました。この議会は議長、副議長、委員長など議会内の人事を決めるのが主な議題です。私は今後1年間、厚生委員会と広報委員会の委員を務めることになりました。「是々非々」の姿勢を失わずに頑張っていければと存じます。

 

 さて、大和市は副市長を2人置いていますが、金子勝副市長(当時)が3月23日、突如辞表を提出しました。市役所には激震が走り、「異常事態だ」との声も漏れ伝わりました。

 

 現在、大和市議会は本会議の質疑は事前通告制になっています。私が質問を通告した4月末の時点では、金子氏の辞職理由について何も分かりませんでした。ですが、地元紙の神奈川新聞が7日付朝刊第1社会面で「大和市副市長が証言 市長パワハラで辞職」との見出しで、市長のパワハラ疑惑を報道しました。

 

 副市長の人事議案は金子前副市長が辞任したことを原因としているため、私は副市長辞職の原因・経緯や、後任副市長の任命理由について、本会議で質しました。質疑の内容は以下の通りです。

 

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【質疑】

 本日上程された副市長の人事議案は、前任の金子勝副市長が任期を1年ほど残して突然、退任したことに伴うものです。職員からは、市長の懐刀の1人が約1カ月半もの間、不在となっている状況に、「異常事態だ」といった声が出ています。

 

 さらに激震が走るニュースがありました。今朝の神奈川新聞朝刊の第1社会面の記事をお読みになりましたでしょうか。中身の詳細は割愛させていただきますが、議案との関連性があると捉えて多少、お話をしたいと思います。

 

 ご案内の通り、パワー・ハラスメントの最大の肝は「職務に関する優越的な関係」であります。私は市長が職員にどのような発言をしたのか詳細を存じませんが、仮に人事異動をちらつかせて強圧的な言動を行い、精神的に大きな苦痛を与えたとすれば、パワハラに該当するのではないでしょうか。私は今回の報道は信憑性が高いと捉えています。市長並びに行政は事実関係を明らかにする責務があります。

 

 大和市の職員の「懲戒処分に関する指針」では、パワハラを行ったことによる処分の標準例として「相手を強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患させた場合は免職、停職、又は減給」としています。これは一般職職員に対する指針です。市長は特別職ですが、大和市では平成26年、部下のパワー・ハラスメントを助長したとして減給の懲戒処分を受けた当時の教育長が辞職した事例も、記憶に新しいところです。

 

 最近の他市の事例では、大阪府池田市の市議会が、不適切な庁舎使用やパワハラの疑惑によって百条委員会を設置し、市長が辞任する事態ともなりました。

 

 仮に市長のパワハラが相次いでいるとすれば、職員は委縮して忖度します。大和市を良くするための前向きで積極的な姿勢は失われてしまいます。大和市政の現状は、今どきの言葉で言えば、緊急事態なのではないでしょうか。

 

 その百条委員会をはじめ、調査組織を設置するかどうかは議会全体の判断となります。先の議会運営委員会でも、調査検証組織の設置を求める意見が相次ぎました。私も、二元代表制の一翼をなし、行政のチェック機能を有する市議会の一員として、これは看過できない問題である。うやむやにせずに真相を究明する必要がある。このように考えます。

 

 市長は、今回の人事議案を上程することになった原因である金子前副市長の辞任、職場環境を改善するために自らの職を賭して問題提起した金子氏の行動について、どのように受け止めているのでしょうか。

 

 後任の人事案として小山氏が推挙されております。パワハラをはじめとする職員の一般服務関係は、当時の金子副市長が主に所管していたと伺っております。小山氏が議会の同意を経て副市長に就任し、担務の変更がないと仮定した場合、職員の一般服務については、後任の小山副市長が主に取り組むことになるはずです。小山氏が就任するとすれば、パワハラ問題に対する誠実な対応や覚悟を求められることにもなりましょう。

 

 そこで2点伺います。市議会代表者会議が過日、定めたルールに基づき、事前通告をしております。

 

1.金子前副市長が任期途中で退任した経緯・理由について

2.後任の任命理由について

 

 以上、公平無私で誠実な答弁を求めます。

 

【答弁】

■総務部長

 金子前副市長の退任の経緯・理由につきましては、3月23日の市議会本会議終了後に、本人から市長に退職の申し出があり、理由につきましては「一身上の都合」とのことでございます。

 

 また、本日、一部新聞報道がございましたが、本市では、ハラスメントにかかる相談があった場合には関係職員に対する聞き取りを慎重に行い、その事実確認を行っており、報道内容に該当するような相談などはございません。

 

 なお、市長と接する機会があるのは、基本的に部課長級の職員でございますが、大木市長の市長就任以降の14年間において、報道内容に該当するような相談もございません。また、報道が取り上げた金子前副市長からの進言などもなかったと伺っております。

 

 後任の任命理由については、先ほど市長から説明いたしました提案理由の通りでございます。

 

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 市側は、副市長の証言を真っ向から否定しました。一方、報道された当事者である大木市長は壇上に立たず、部長に答弁させていました。その理由はわかりませんが、不思議に思います。

 

 7日に行われた市議会議会運営委員会では、真相を明らかにする組織を立ち上げるよう求める意見が相次ぎました。市議会では月内に議会運営委員会を開催し、今後の対応を協議する方針となっています。私自身も、風通しの良い職場環境づくりに向けて取り組んでいく所存です。

 

<5月9日追記>

 質疑内容は大意を掲載していましたが、録音データを起こした正確な内容に差し替えました。