自民党は、新型コロナウイルス感染症に関する緊急支援策をまとめたサイトを開設しました。自分に関係する支援策を手軽に調べることができ、とても分かりやすいです。
 
 既に報道が出ていますが、大和市は、神奈川県の要請に協力して休業や時短を行った中小企業や個人事業主に対し、50万円(ないし20万円)を上乗せする独自の給付金制度を始めます。5月7日から6月30日まで、郵送で申請を受け付けるということです。大和市内の事業者の方は、合わせてご覧ください。
 
 さて、新型コロナは日本社会を一変させました。私たちの生活は準戦時体制となり、「人的接触8割減」を合言葉にした「国民精神総動員運動」が展開されているかのようです。
 
 歴史をひもとくと、国民精神総動員運動は昭和12年(1937)、第1次近衛文麿内閣が国民の戦意高揚を図るために実施しました。「挙国一致」「民忠報国」「堅忍持久」をスローガンに、事態がどう展開していかに長期化しようとも、困難を打開して所期の目的を貫徹するために国民の決意を固めるのが狙いでした。戦意高揚のため、「ぜいたくは敵だ」「欲しがりません 勝つまでは」「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」といった標語が流布されました。
 
 翌年には国家総動員法が公布。政府は議会の承認を経ることなく、人的・物的資源の統制運用を勅令で実施できるようになりました。当時は、財界や既成政党が「自由主義的な資本主義経済を否定する」として強く反対する一方、無産政党(共産党以外の社会主義の政党)は「社会主義への道を開く」として支持にまわったそうです。
 
 戦前がすべて悪いとは思いませんが、負の側面や過ちを繰り返さないようにすべきであることは論を待ちません。 
 
 時を現在に戻すと、外出自粛キャンペーンをめぐっては弊害が出始めました。ごく一部でしょうけど、営業を続ける飲食店やライブハウスに中止を求める落書きや張り紙を貼る動きがあるということです。SNS上では「自粛警察」と揶揄されていますが、ナチス・ドイツがユダヤ人の自宅に落書きした歴史を想起させます。
 
 堀江貴文氏が手がける「ホリエモンロケット」は連休中に無観客で打ち上げる予定でしたが、地元から自粛を要請されました29日朝の某ワイドショーは、高齢者が公園で行うラジオ体操を批判的に取り上げたそうです。
 
 大型連休に入りましたが、外出自粛は感染拡大防止のための手段であり、自主的な協力であるべきです。大義がどうであれ、半強制的に行われれば、昔でいうところの「蟄居」や、懲戒処分における「自宅謹慎」「出勤停止」と変わらなくなってしまいます。
 
 メディア自体が一部で「自粛警察」と化しているようですが、外出自粛を自己目的化してはならないと私は考えます。