22日は、大和市議会の自民党・新政クラブと大和正風会の2会派合同視察の最終日。訪問先は、福岡県のほぼ中央に位置する飯塚市です。ここは、かつて日本の主要な石炭の産地だった筑豊炭田の中心地でもありました。

 

 視察テーマは障害者スポーツの振興、なかでも市内で開催されている「飯塚国際車いす大会」(ジャパンオープン)です。

 

 
 炭鉱での労働災害などにより脊髄を損傷した患者が多くいた経緯から、1979年に日本初の脊髄専門の病院、総合せき損センターが市内に設置されました。せき損センターでは患者のリハビリを目的として車いすテニスを導入。クラブが発足するなど機運が盛り上がり始め、1985年から国際大会が毎年開催されるようになりました。
 
 この大会は、グランドスラムと呼ばれる4大大会に次ぐスーパーシリーズとして位置づけられており、例年、十数カ国・地域の選手約100人が参加しています。2000人超の市民ボランティアが携わる大会運営は「イイヅカ方式」と呼ばれているそうです。
 
 
 今夏の東京パラリンピックに向けた活動も盛んです。車いすテニスの事前キャンプ地として南アフリカを招へいしている上に、日本代表の強化拠点にも指定されています。
 
 
 2017年度には、周辺の嘉麻市や桂川町と連携して今後5年間の「テニスのまちづくり計画」を策定。テニスを中核とした地域振興や広域連携を目指して、選手との交流会開催や各種大会の誘致、施設のバリアフリー化などを盛り込みました。飯塚市はこの計画を踏まえ、国際大会の舞台である市の施設「筑豊ハイツ」をリニューアル。今年4月にはホテルやコテージ、キャンプエリアを備えた新施設「いいづかスポーツ・リゾート」をオープンさせる予定です。
 
 市では、テニス大会に合わせて観光PRを行うなど、新しい人の流れを作ることによる経済波及効果も見込んでいます。歴史的経緯に裏打ちされたまちづくりが成功すると良いですね。