3日は大和市議会議会運営委員会の行政視察の最終日。福岡県古賀市の市役所を訪ねました。古賀市は福岡市と北九州市の間に位置し、工業が強い街です。いちごの「あまおう」が特産品ということです。
 

 

 古賀市議会は平成26年4月に議会基本条例を施行。早稲田大マニフェスト研究所の議会改革度調査では、同年度から3年連続で九州沖縄地域のトップとなりました。
 

 

 目を引くのは、市政の重要課題について政策提言するための「政策推進会議」を設置し、市長らに提言している点です。
 
 一例を示すと、平成28年には、公共交通の提案をまとめるべく、議長を除く全議員が市内の路線バスに乗車して実地調査。1000件弱が回答する大規模な市民アンケートも実施しました。これらを踏まえて議員間で協議し、翌年には「廃止路線の復活や路線の見直しに取り組む必要がある」とする提言書を市長に提出しました。
 
 市内で路線バスを運行する西日本鉄道(西鉄)は平成29年4月のダイヤ改正で減便に踏み切ります。ですが、市議会ではこれに先立つ3月議会で「平成29年度の早い時期に極力回避、もしくは代替する措置を講じる」ことを求める決議を可決。市は翌年8月、住民や議会からの増便要求を踏まえ、公共施設等連絡バス(コガバス)の運行を始めました。
 
 市民のニーズを「チーム議会」で吸い上げ、政策の実現に活かしていく。このサイクルが古賀市では回っています。二元代表制や議会制民主主義を確立していくためには、まさに「行動する」ことが大事だということが分かりました。とても感銘を受けました。
 
 この日の視察には、古賀市議会の議員5人が出席し、説明から質疑応答まで議員の皆さんに対応していただきました。「視察は極力所管の委員会で応対し、他市議会の議員さんと交流ができるように心掛けています」ということで、熱心で真摯な姿勢が感じられます。
 
 驚いたことに、視察の概要は同日中に古賀市議会のHPにアップされており、説明資料まで添付されています。情報公開の努力にも脱帽です。一歩でも近づいていきたいと思いました。
 

 

 余談ですが、ラグビーW杯日本代表の快進撃の立役者である福岡堅樹選手は古賀市出身だそうです。ラグビーW杯といえば、視察で立ち寄った熊本市や福岡市は開催地ということで、熊本駅や博多駅の構内は広告が目立ちました。