25日は大和市議会文教市民経済常任委員会の行政視察の3日目。最終日は島根県のお隣、鳥取県の鳥取市役所を訪れました。先の松江市と同様、4月に中核市に移行しており、入り口には大々的に宣伝しています。
 
 
 この日は①企業立地②特色ある中学校区創造事業-の2コマです。

 

 鳥取市では、主力の三洋電機コンシューマエレクトロニクス(旧・鳥取三洋電機)がパナソニックに再編され、その後に撤退したことが大打撃となり、製造品出荷額が右肩下がりに減少。平成25年は2232億円でピーク時の平成18年の半数未満になっています。このため、関連性が深い企業を工業団地などに集める企業立地に力を注いでいます。県東部を縦貫する鳥取自動車道の全線開通などで交通アクセスが向上したことや、年間十数億円に上る「全国トップクラス」の優遇助成制度をアピールしています。
 
 とりわけ、地元で労働力を確保できることにも注力しており、市内の学校法人は、日本語学校の来春開校に向けて準備を進めています。市内企業への就職を希望するベトナムの4年制大学卒業者を対象とした1年制の学校で、定員は100人を予定。外国人高度人材の確保を目指しています。
 
 奇しくも24日に開会した臨時国会では、外国人労働者の受け入れ拡大に向けた出入国管理法改正がクローズアップされており、そういう意味でも同校は注目を集めそうです。
 
 
 一方、鳥取市教育委員会では、学力向上と学校不適応の解消の2点を重点課題に設定。解決策の一つとして、小中の9年間で子供を育てる小中連携教育を進めています。市内の17中学校区には小中58校がありますが、このうち3校は小中一貫の義務教育学校です。
 
 特筆すべきは、中学校に在籍しながら校区内の小学校にも勤務する「兼務教員」という珍しい取り組みです。平成22年度に2名でスタートしましたが、27年度には全中学校区に配置し、現在は計93名に上ります。生徒指導、特別支援教育、学力向上、保健指導といった分野を中心に生徒指導主事や養護教諭が小中の橋渡し役を務めます。環境の変化に伴う「中1ギャップ」の解消にも寄与しているといい、全国のモデルケースになりそうです。