共謀罪を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法が15日、国会で成立しました。法律制定に賛成のメディアは「テロ等準備罪」、反対の社は「共謀罪」と呼んでいます。

 

 これまであまり関心を持っていませんでしたが、法務省ホームページにある「Q&A」などを読んでみました。

 

 国際組織犯罪防止条約では、➀重大犯罪の共謀行為②組織的犯罪集団への積極参加-のいずれかか両方の犯罪化を義務付けています。世界187カ国・地域がこの条約を締結していますが、国連加盟国で条約未締結なのは、日本を含めて11カ国しかありません。2020年東京五輪に向けてテロ対策を進めなければならないということで、世界標準に近づけたのが今回の法整備だと理解します。

 

 監視社会を生み出すとの懸念から、共謀罪は過去3回、廃案に追い込まれていました。このため、政府は今回、➀取り締まりの対象を「組織的犯罪集団」に限定②対象とする犯罪数を676から277に削減③犯罪構成要件として計画だけでなく「実行準備行為」を追加―することで内容を抑制的にし、「テロ等準備罪」という通称としました。

 

 テロ集団、暴力団、薬物密売組織組織、振り込め詐欺集団などの違法行為を目的とする「組織的犯罪集団」が、下見や資金調達などの実行準備行為を行った際に処罰されます。一般国民が普通に生活している限りは、監視されることはありません。組織的犯罪集団と関わっていれば場合により監視対象になる可能性はあるようですが、普通に暮らしている限りは無関係なので、大丈夫だろうと理解します。

 

 法改正をめぐっては、参院の法務委員会採決が省略され、中間報告として本会議に送られました。与党の国会運営は「禁じ手」だとして大きな批判にさらされています。民主主義においてプロセスが大切であることは論を待ちません。私が見たテレビ朝日やTBSのニュースは批判一色だったので、私も「やり過ぎだろう」と当初は思いました。

 

 ただ、よくよく状況を調べてみると、民進党と共産党が13日、金田法務大臣の問責決議案を参院法務委員会に出したことで審議がストップしていました。野党が問責を出したということは、「金田大臣とは審議できない」と通告した意味を持ちます。そういう事情があったため与党は当初、委員会採決を予定していたものの、「裏技」に踏み切ったようです。公明党の委員長に悪いイメージをつけることを回避する狙いもあるのでしょうが、野党の戦術の稚拙さを指摘する見方もあります。

 

 野党からすれば、委員会採決の際に委員長席になだれ込んで罵声を浴びせたりプラカードを掲げたりする「見せ場」が失われました。その一方、押しボタンが一般的な参院本会議の採決で、記名投票方式が採用され、一部で牛歩戦術が行われました。16日午後には参院予算委員会が行われ、テレビ中継されます。野党との約束を守り、花を持たせた与党側の配慮なのでしょう。与党側が横暴な国会運営をしているというご批判は当たらないと思います。

 

 

 

 さて、私はと言えば、一般質問の準備を進めていますが、14日には、高齢者の演芸大会に足を運びました。のべ500人以上が出場したということで、盛り上がりを見せていました。