23日は大和市議会の本会議。一般質問2日目のトップバッターとして登壇しました。以下は、小田が行った質疑に対する答弁の概要です。
 

 大木哲市長は、小田急線日大六会駅の近くにある日大生物資源科学部(藤沢市)の図書館をはじめとした大学図書館との相互利用協定締結について「(11月の)新図書館オープンで市民の読書への意欲の高まりが期待される。さらなる図書サービス拡大の一つとして検討していく」と述べ、前向きに検討する考えを示しました。住民の要望を受けて現地視察をしたうえで提言しただけに、有難い答弁です。
 
 また、学校の授業で新聞を活用するNIE(News In Education)教育に関し、「子供たちがより身近に手に新聞をとることができるよう教室にも配架するなど、具体的に検討している」と語り、学校図書館だけでなく教室にも新聞を配架する方針を明らかにしました。大和市の学校図書館では小学校で1紙、中学校で2紙が配架されていますが、さらなる拡大となりそうです。
 
 これに関連し、柿本隆夫教育長は「教育委員会においても研修会や学校訪問を通して新聞を活用した授業を推進する」と話し、NIEを積極的に進めていく考えを示しました。この業界に身を置いた者としては、大変嬉しい限りです。

 小中学生の体力をめぐっては、敏捷性と持久力に課題があることも明らかになりました。

 このほか、待機児童問題や東京五輪に向けた取り組みなどでも丁寧な質疑が行われました。


 毎度のことながら、自分で録音データを起こした議事録を記しておきます。大和市政にご関心の方やご覧ください。

 
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  1.待機児童問題  

Q将来の保育需要の見通しと整備方針は

■市長
 本市では待機児童対策を最重要課題の一つとして捉えており、子供子育て支援事業計画に基づいた保育所等の施設整備を前倒しで進めてきた結果、平成28年4月1日時点において、初めて待機児童ゼロを達成した。


 将来の保育需要の見通しだが、就学前児童数に対する保育所等の利用申込者数の割合は平成28年4月1日時点で26.6%となっており、これは計画策定時に見込んでいた21.1%を大幅に上回る状況となっている。現在も申込者数は増え続けていることや、県内19市の平均は既に32.2%に達していることから、本市もまもなく、就学前児童の3人に1人が保育所を利用する状況になると捉えている。


 このように今後も保育が必要な児童は増え続けることが想定されるが、★これまでの待機児童の状況を含めた保育需要の分析を十分に行い、低年齢児を受け入れる小規模保育事業などの施設整備と合わせて、既存施設の定員拡大や幼稚園の活用などの新たな施設整備以外の様々な方法により、保育の受け皿を広げ、引き続き待機児童ゼロへの取り組みを力強くスピード感を持って進めていく。


Q平成28年4月1日までの直近3年間に保育所等の整備に要した費用は

■こども部長
 平成25年度から平成27年度までの民間保育所増設支援事業における決算額の合計は、7億6301万2094円となっている。


Q保育士の配置基準等の規制緩和の必要性についてどう考えるか

■こども部長
 国は昨年の4月1日時点で50人以上の待機児童がいた自治体に対し、児童の年齢ごとに定めた保育士の配置人数や面積が国を上回る基準の場合には、見直しをするように要請しているが、現時点において実施したところはなく、待機児童が25人だった本市においては、対象となっていない。


 国の定める保育士の配置基準については、あくまでも守るべき最低限の基準と捉えており、児童の安全や保育士の勤務態勢など良好な保育環境を確保し、向上させる観点から、本市では1歳と3歳の部分において、国の基準を上回る配置基準を持ち、市内すべての認可保育所における保育態勢の基本としている。★配置基準の変更については、様々な側面を有しているので慎重に研究していきたいと考えている。



Q市内の民間認可保育所において保育士不足は生じているか

■こども部長
 市内の民間認可保育所の保育士は、定数的に充足している状況にあり、特に年度当初における児童の受け入れにおいて保育士不足により、保育所の利用定員を下回るような状況は生じていない。しかしながら、年々保育士不足が深刻化していることは事実であり、定員を超えた受け入れや障害児の受け入れのために、年度途中に保育士を確保する場合など、限られた条件のもとでは、採用が非常に厳しい状況にあると認識している。


Q保育コンシェルジュはどのような成果を挙げているか

■こども部長
 保育コンシェルジュは、子育て家庭の相談に応じながら、保育施設や地域の子育て支援サービスなどの情報提供を行うもので、今年度から1名を増員して保健福祉センターと子育て支援センターの窓口に配置しており、昨年度は7月からの9カ月間で317件の利用実績があった。また、相談だけではなく、認可保育所への入所が保留となっている保護者に対して、空きのある保育施設や新たに開所する施設の紹介を行うなど、待機児童解消のために継続的な支援も行い、子育て支援施策の一つとして十分な成果を挙げているものと考えている。


Q保育士の一定の処遇改善が必要と考えるが市の見解は

■こども部長
 民間認可保育所における保育士の処遇改善については、全国的な制度のなかで処遇改善を行うべきであると考えており、今後も国の動向を注視しながら、本市としての対応を検討していく。


 2.図書館活性化 

(1)大学図書館との連携

Q日大生物資源科学部の図書館をはじめとして、市内外の大学図書館と相互利用連携協定を結べないか?

■市長
 大学図書館には専門的な図書資料が数多く蔵書されており、相互協力協定の締結により、大和市民がこれらを容易に手にすることはできる利点がある。新図書館がオープンすることで、市民の読書への意欲の高まりが期待されるところであるので、★大学図書館との相互協力協定の締結については、さらなる図書サービスの拡大の一つとして検討していく。



(2)図書宅配サービス

Q「図書宅配サービス」で、外出しづらい身体障害者に限った無料化を実現できないか?

■市長
 本年3月議会において、鳥渕議員からいただいた同様の質問にお答えした通り、障害があるなど、来館が困難な方への無料図書宅配サービスについては、新図書館の開館を機に、その他のサービスを含め指定管理者と協議を進めていきたいと考えている。




3.NIE教育とメディアリテラシー 

(1)小中学校の取り組みについて

QNIE教育について
Qメディアリテラシーについて

■教育長(一括答弁)
 本市の児童生徒においては全国学力学習状況調査の結果から文章を読んで情報を的確に理解し、感想や意見を記述することに課題が見られた。一方、多種多様な情報が氾濫する現代社会においては、主体的に情報を取捨選択する力、いわゆるメディアリテラシーが重要になってくると考えている。

 新聞の読み比べやその結果を話し合うことなどの活動は、主体的に思考し、判断し、表現する力を育てるために有効であると考えており、学習指導要領においても、新聞等の資料を適切に活用すること、とされている。★教育委員会においても、研修会や学校訪問を通して、新聞を活用した授業を推進し、それらの力の育成に努めていく。


Q学校図書館における新聞の配架状況について
■市長
 本市では、学校図書館のリニューアルとともに、学校司書や県内初の学校図書館スーパーバイザーの配置など、学校図書館教育の充実に特に力を入れて取り組んできた。これは読書が広い視野と豊かな発想を育み、将来を通じての活動として、知識や知恵の継承や豊かな人間形成の育成に欠かせないものと考えてのことであり、その成果が読書量の増加などに表れているところだ。


 皆さんご存知のように、大和市内小学生の平均の1年間の読書量が150冊近くまでなっている。また1年間の中学生の読書量も50冊以上というような状況になったところだ。これは本当に現場の先生方いかに頑張ったか。そして何よりも子供たちが頑張っている。我々も頑張らなければいけないと感じるところでもある。


 さて、またこの夏には国際学校図書館協会の視察校として、市内の小中学校が選ばれ、国内外の参加者からも高い評価をいただいている。私もこの文ケ岡小学校での視察のときに立ち会ったが、本当に、様々な国の方々が来ていてかなり熱心に質問していて、素晴らしいという声を様々な国の方から直接聞いたところでもある。


 一方、今後は情報社会の進展や技術革新などにより、子供たちを取り巻く社会環境に大きな変化がみられると指摘されている。そのようななか、新聞を読むことは様々な事象に関心を持ち、自分の考えを基にした判断力や想像力を身に着けるためにも大切であると考えている。こうしたことを踏まえ、現在は学校図書館において小学校に1紙、中学校に2紙の新聞を配架しているが、★今後はさらに、子供たちがより身近に手に新聞をとることができるよう教室にも配架するなど、新聞配架の拡大を具体的に検討しているところだ。



 4.2020年東京五輪と体力向上 

(1)東京五輪に向けて

Q大和スポーツセンター体育館にバレーなりバドミントンなりの事前キャンプを誘致できないか

■文化スポーツ部長
 本市はこれまで東京オリンピック、パラリンピックの事前キャンプ候補地として立候補する方向で検討を進め、組織委員会が作成する事前キャンプ候補地ガイドへの掲載を希望してきた。その後、本市のスポーツ施設が国際競技連盟が定めている宿泊施設や食事の提供等の施設基準に適合していない、との判断を受けたが、本市のスポーツ施設は人口密度が高い住宅地に隣接していることから、基準を満たすための施設改修は困難だ。このような状況から★事前キャンプの誘致は非常に困難ではあるが、東京五輪に関連したスポーツ施設の利用については、今後も県を通じての働きかけを続けていきたいと考えている。


Q東京五輪参画に対する市の見解は?

■文化スポーツ部長
 2020年に行われる東京オリンピック、パラリンピックの開催により市民のスポーツに対する意識や機運が大いに高まることが予想される。これを機に、市民の方々がスポーツをする、見る、支えるのいずれかに関わっていただけるよう取り組みを行うことで、本市スポーツ推進計画に掲げる「スポーツでつくろう健康都市やまと」の実現に寄与するものと考えている。


(2)小中学生の体力

Q平成27年度「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」から見る本市の傾向について
Q体力向上に向けた取り組みについて


■教育長(一括答弁)
 本調査における体力、運動能力に関しては★小学生の筋力と柔軟性については良い結果が得られたものの、総合的には小中学生ともに全国平均と比べて特に持久力、敏捷性などにおいて課題がみられた。また、生活習慣や運動習慣についての調査結果からは、ゲームや携帯電話、スマートフォンの使用時間が長く、食事や睡眠に関して規則正しい生活を送ることができていない児童生徒の割合が多い傾向がみられた。


 特に小学校女子児童においては、健康にとって運動は大切であるとの意識、家の人と運動する頻度、休み時間に校舎外で過ごす割合が低い傾向がみられ、運動に対する興味関心を高める工夫や、取り組みが必要であると考える。


 そのため本市では、小学5年生と中学2年生が対象の新体力テストを全学年対象とし、その結果を活用して、よりよい運動習慣、生活習慣の形成と体力の向上を目指す実践研究を推進している。特に健康体力つくりの研究校である大野原小学校と文ケ岡小学校では、家庭における生活習慣アンケートの実施や専門家による食事と睡眠の重要性や、子供たちの生活習慣改善等をテーマとした保護者対象の講演会の開催などにより、家庭と学校が協力しながら取り組んでいる。


 教育委員会としては、これらの成果を幅広く周知しながら、児童生徒の主体的な健康づくりを推進し、体力、運動能力の向上に努めていきたいと考えている。



 5.ヒートアイランド対策 

Q本市においては、どのようなヒートアイランド対策を行っているか
Qヒートアイランド対策を充実できないか

■環境農政部長(一括答弁)
 郊外に比べ都市部ほど気温が高くなるヒートアイランド現象は、都市化によるアスファルト面の増加と緑地や水面の減少、都市の様々な活動に伴って生じる排熱の増大などが主な要因とされている。

 このため本市では市民農園、保全緑地、保存樹林などによる農地や緑地の保全、ゆとりの森など大規模な公園の整備による都市緑化の推進などを行うとともに、公共施設への太陽光発電設備の導入および住宅用太陽光発電システムの設置補助など再生可能エネルギーを活用することで、ヒートアイランド現象の緩和に努めているところだ。

 今後もこれらの施策をさらに進めていくとともに、エアコンの適正な温度設定や公共交通機関の利用促進など、ライフスタイルの転換につながるよう、地球温暖化対策の推進をはかることで、ヒートアイランド対策の充実に努めたいと考えている。


Q一部で導入されている遮熱性舗装を拡大できないか

■都市施設部長
 遮熱性舗装は舗装面に遮熱財を施して太陽光を反射させることで舗装面の温度上昇を抑制するものであり、平成23年度に福田原高座渋谷線の歩道部約160mの施工実績がある。夏場における路面温度の低下が期待されているところだが、一般の舗装と比べ経費がかかることや、耐久性などの課題がある。今後遮熱性舗装の拡大については、舗装表面温度の低減効果や耐久性を検証していくとともに、コストの低減化や施工技術の一般化、国や他自治体の取り組みなどを注視していきたいと考えている。