台風7号が関東地方に近づいている16日、映画「シン・ゴジラ」 を大和市内のシネコンで観ました。産経新聞のコラム などを読んで、とても興味を引いたからです。


 
 官邸で繰り返される会議、災害対策本部の設置、災害緊急事態の布告、自衛隊の防衛出動…。映画では、もし仮にゴジラが出現したら政府がとるであろう手順が丹念に描かれています。総理官邸内の会議室をはじめ、様々な描写はきわめてリアル。政府の対応は東日本大震災を思い起こさせます。

 華々しいドンパチを中心とした「SF大作」(もちろん随所にそういうシーンはありますが…)というよりは、危機管理や安全保障をテーマとした「シミュレーション映画」のような印象。脚本も担当した庵野秀明総監督らの精緻な取材に脱帽です。

 通信社の昔の配信記事によると、防衛省は過去に、ゴジラのような巨大不明生物に関する頭の体操をしたことがあり、「自衛隊法83条に基づく災害派遣として自衛隊の出動は可能。『有害鳥獣駆除』の目的で、武器・弾薬の使用も可能との結論に達した」のだそうです。こんな手順も、映画では忠実に再現されていました。

 ネタバレするのもなんなので、これ以上は避けますが、劇中では日本の危機管理の本質を考えさせるセリフやシーンも多々ありました。2回観たくなる映画です。