大阪市の住民投票で「大阪都構想」が反対多数となり、地域政党「大阪維新の会」の橋下徹代表が今期限りでの政界引退を表明したことは、単なる大阪市の機構改革の是非にとどまらず、今後の政局にも多大な影響を及ぼすことになります。
橋下氏という主役がいなくなることで、維新の党を中心とした「第三極」は、求心力を急速に低下させるでしょう。すでに、維新の党の江田憲司代表は代表辞任を表明しており、同党はグシャグシャになるかもしれません。維新の党が民主党に合流するような流れになってくれば(すぐにではなく中長期的な話でしょうが…)、衆参両院の「3分の2」が必要な憲法改正の道は遠のく可能性が高まります。「大阪維新の会」への期待感が消滅すれば、「減税日本」など他の地域政党も冷や水を浴びせられることになるでしょう。
それにしても、反対50.4%、賛成49.6%で、その差はわずか約1万票と本当に拮抗しました。誤差の範囲のような結果なので、実際のところは「大阪市民の民意は割れた」といえます。ただ、この微妙な票差が政局にいろんな影響を与えることになるわけです。