イスラム教過激派組織の「イスラム国」の身代金要求事件で、動画の合成説がささやかれています。最初見たときに直感的に、「うさんくさい映像だなぁ」とは思ったのですが、日本人2人の影の向きが違うことには気づきませんでした。

 真偽のほどはともかく、テロに屈してはなりません。もし無条件に2億ドルを払ってしまえば、同種の事件が誘発されてしまいます。一方で人命を尊重しなければならないことは言うまでもなく、緊迫した局面が続きます。いずれにせよ、かけがえのない命だからこそ、多額の身代金を要求する事件が起こるわけです。

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 命と言えば、私が千葉総局で駆け出し記者をしていたころ、大変お世話になった元千葉県議会議員、金子和夫氏が昨年12月8日、88歳でお亡くなりになっていたことをつい先日、知りました。私は当時、自民党千葉県連の幹事長だった金子さんに時折、夜回り取材をし、県政や県政界の状況などをうかがっていました。金子さんは同業他社からの信望も厚い方で、政界引退後しばらく経ってからも、元担当記者との懇談会を開いたりしていました。

 金子さんが夜回り取材の際、「戦争経験がある県議は俺一人だ」と自身の戦争体験を訥々と語っていたことを思い出します。生前にいただいた自叙伝『何苦礎人生』を久々に手に取りました。

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 柔道金メダリストの斉藤仁さんは54歳で、プロ野球でホームラン王だった大豊泰昭さんは51歳で、それぞれお亡くなりになりました。お2人とも50歳代の若さだったので、大変驚きました。

 太く短く生きるか、太く長く生きるか、細く長く生きるか-などはそれぞれの運命なのでしょう。私にも自らの天分があるとすれば、それを全うしなければならないなと思いました。