奈良国立博物館
奈良国立博物館
近代建築を見るとその歴史が知りたくなる。
その建物に関する背景を調べるのは楽しくてわくわくすること。
建築史をひもとくと国境を越えいろんなところで糸はからまりつながり現在に至る。
そのどの時点にも建築に対する熱い思いと張り詰める緊張があり私を興奮させる。
日本の建築家のはじまり。
近代建築の父と呼ばれているイギリス人ジョサイア・コンドル氏は1874年(明治10年)に工部大学造形家学科教授として迎えられ、1期生の辰野金吾(たつのきんご)、曾禰達蔵(そねたつぞう)、片山東熊(かたやまとうくま)、佐立七次郎(さたちしちじろう)に西洋建築を教える。
明治12年4人は卒業し、日本初の建築家となる。
奈良国立博物館はその中のひとり宮廷建築家片山東熊の設計。
フレンチバロック様式。
宮廷建築家らしく外観は華麗で優美な印象。
が、内部は意外にあっさりしている。
玄関入ってホールもなくいきなり展示が始まり、そのままあたりまえに展示が並ぶ。
内部に特別な見せ場はなく少々物足りない気もする。
当時は、古都奈良にそぐわないと不評だったという話があるが
外国人から西洋建築を学んだ宮廷建築家に何を期待したのか・・。
国の思いと住民の思いのずれだったのか・・・?
100年後の今
広い奈良公園の中に静かに建っているこの建物に違和感はないが
中の展示物の仏像と器の西洋館とのギャップはあり・・。
仏像を飾る建物をなぜ西洋館にしたのか?と思うが
日本の近代建築の確立した時代で、この時めざすところの建築はこれだったのだからこれしかない。
そう考えるとこのギャップな感も楽しめる。
竣工 1894年(明治27年)
所在地 奈良県奈良市
設計 片山東熊、宗兵蔵
構造 煉瓦造平屋建て、桟瓦一部銅板葺
