The Beatles Lover No.5　ザ・ビートルズ・ラバー・ナンバー・ファイブ

人気ラジオ番組が、読んで楽しめるテキスト版になりました。

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ザ・ビートルズアルバム・バイブル新版　オリジナルアルバム全14作品完全ガイド (日経BPムック)

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ディープなファン目線、そしてサウンドメーカー目線でビートルズへの愛💖と共に楽曲を紹介していく人気ラジオ番組「The Beatles Lover No.5」。

杉田裕（JAYWALK）とサミー小川（メディアプロデューサー）がナビゲートします。

364回【2024年3月16日〜22日】の放送は、広田寛治さんをお迎えして、ビートルズのアルバムについて語り合っていきます。

『The Beatles Lover No.5 の聴き方、楽しみ方（最新版）』人気ラジオ番組The Beatles Lover No.5　ザ・ビートルズ・ラバー・ナンバー・ファイブ好きな時に、好きな場所で、好きな人と。ビートルズへの…

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【サミー】少しずつ春めいてきました。

【裕】春といえば出会いと別れ。今週のゲストの方とは一年ぶりの再会ですね。

【サミー】そうなんです。今週はゲストに広田寛治さんをお迎えしています。広田さんは、現代史研究家、ノンフィクション作家、そしてビートルズ関連の出版物をたくさん手掛けているフロム・ビーの代表でもあります。

【寛治】よろしくお願いします。

【サミー】お久しぶりです。

【裕】昨年も花粉シーズンが始まる頃にお会いしましたね。

【サミー】ところで、最近はどんな活動をされていますか。

【寛治】最近は鎌倉で散歩してます（笑）。ビートルズ関連では、長い時間をかけてやっている仕事が二つあります。『ザ・ビートルズ　アルバム・バイブル』と『ザ・ビートルズ　全曲バイブル』です。これらが３月と６月に発行されます。その間にミュージックライフを作ったり。それとか、ロードマネージャーの伝記がでましたよね？えーと……

【サミー】マル・エヴァンスですね。

【寛治】私どもの方で日本語版を担当させていただくことになりました。（注：英語版タイトルは「Living the Beatles Legend： The Untold Story of Mal Evans）」）

【サミー】『ザ・ビートルズ　アルバム・バイブル』は３月13日に発売されたばかりですね。楽しみです。

【裕】ところで、リスナーの方からメッセージをいただいています。最近、番組の中でビートルズじゃんけんをやっていますが、それにちなんだお名前かな？リンゴdeジョンさんから。

毎週楽しく聴いています。

今日、初めてビートルズじゃんけんに参加してみました。

なるほど、難しい…(･o･;)手と同時に掛け声は無理です!!

チョキがジョージ、パーがポールだったら、簡単だったのに～

お二人みたいに、だんだん慣れてくるかな？

使う機会はあるかしら(^_^;)

リンゴdeジョン

【サミー】ありがとうございます。というわけで、せっかくですから広田さんにもビートルズじゃんけんをマスターしていただきたいですね。

【裕】ところで今日のテーマは？

【サミー】３人で「好きなアルバム」について語り合っていきたい。それぞれが「好きなアルバム」を選んで、その中から一曲聴いていこうと思います。その順番をビートルズじゃんけんで決めましょう！グーはジョン、チョキはポール、パーはジョージ、あいこはリンゴだよ。「最初はジョン」で始めるよ…。

オープニングテーマは杉田裕の「ビートルズなんて誰も知らない」

ビートルズなんて誰も知らないProvided to YouTube by massenextビートルズなんて誰も知らない · 杉田裕WALK of LIFE℗ Number five MusicReleased on: 2023-02-27Lyricist: 小川修身Composer: 小川修身Auto-generated by YouTube.

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サミー小川の好きなアルバムは『ヘルプ！』（Help!）

【サミー】好きなアルバムを選ぶのは難しいんですよ。

【裕】だって、全部好きなんでしょ？

【サミー】これまで『アビイ・ロード』と答えるケースが多かったんですけど、今回は『ヘルプ！』を選びました。

【裕】ほー。

【サミー】ビートルズのアルバムの人気投票をすると、『ヘルプ！』は下位になることが多いですよね。でも、僕にとっては思い出深いアルバムなんです。

【裕】なるほど。

【サミー】中学生の頃、従兄弟から赤い盤のLPを借りて、初めて聴きました。その頃気になっていた女の子の記憶と、このアルバムがリンクして、甘酸っぱい思い出となっている。

【裕】そういうのありますよねーー。

【サミー】今日ご紹介したい曲は「恋のアドバイス」なんですけどね。この日本語タイトルがその思い出とピッタリ（笑）。

【裕】わー（笑）。

【サミー】このアルバム『ヘルプ！』のサウンド自体は、初期ビートルズの荒々しさからこなれて、フォーキーな要素も入ってきているし、コーラスグループとして洗練されてきているし、若い甘酸っぱさも残っている。過渡期にあって、いろんな要素がミックスされているという意味で、良いアルバムだなー、と思います。

【裕】確かに。言えてますね。

【サミー】しかも、僕自身がビートルズの最高傑作だと思っている楽曲「ヘルプ！」も入っているし、「イエスタデイ」というマスターピースも入っている。「涙の乗車券」もある。案外良いじゃん、って最近思っている。

【裕】確かにそう言われてみれば、そうですね。

【サミー】ジョージが書いた「アイ・ニード・ユー」は、昨年、僕のマイブームの曲でしたけど、ここのところ『ヘルプ！』の株がどんどん上がっている。

【裕】名曲揃いですね。ところで、その恋は成就したんですか？

【サミー】いやー、「Love In Vain」というやつですね。「in vain」という意味をその頃覚えました（笑）。

You're Going To Lose That Girl (Remastered 2009)Provided to YouTube by Universal Music GroupYou're Going To Lose That Girl (Remastered 2009) · The BeatlesHelp!℗ 2009 Calderstone Productions Limited (a divi...

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杉田裕の好きなアルバムは『アビイ・ロード』（Abbey Road）

【裕】今日は『アビイ・ロード』を選びました。

【サミー】今日は、なんですね。

【裕】いろいろ言い出したらキリがないので。それでね、もともとアルバムを選ぶ場合、ジャケットを見て判断するケースが多かった。

【サミー】ジャケ買いとかする感じ？

【裕】ジャケットが綺麗だと惹かれる。『アビイ・ロード』もスタジオの前の横断歩道を４人が渡っているシーンが綺麗ですよね。空の青と木の緑と４人の姿と。あの４人が着ているバラバラな服が、その時のビートルズを表していると感じます。デビューした当初は、揃いのユニフォームでマッシュルームカットで、こぎれいな可愛らしい感じだったのが、ほんの数年で様変わりした。

【サミー】変化が大きい。

【裕】『アビイ・ロード』が実質的に最後のアルバムだったんですよね。

【寛治】そうですね。

【裕】４人がそれぞれの道を行くという雰囲気が現れている。

【サミー】なるほど。

【裕】サウンドの方も、B面のメドレーは皆さんも褒め称えていますが、素晴らしい。

【サミー】本当ですよね。

【裕】特に、ジョージの台頭というか、彼がぐーんと伸びてきたので、バランスの取れたアルバムに仕上がった要因でもあると思っている。「サムシング」や「ヒア・カムズ・ザ・サン」がこのアルバムにおけるビートルズの世界を広げている。

【サミー】傑作を提供している。

【裕】B面のメドレーは、映画を見ているようなドラマを感じる流れができている。その中で「ビコーズ」を聴いていただきたい。歌詞も素晴らしいし、コーラスがすごい。

【サミー】ジョンはこの曲を書いたときに、コーラスのイメージがあったのでしょうか？それとも、コーラスについてはジョージ・マーティンが主導したんだろうか？

【裕】パートごとの具体的なフレーズはなかったかもしれませんが、コーラスで行こうというのはあったのでは？

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広田寛治さんの好きなアルバムは『ザ・ビートルズ（ホワイト・アルバム）』（The Beatles）

【寛治】自分にとっては不動の一位が『ザ・ビートルズ（ホワイト・アルバム）』なんです。出会った瞬間からナンバーワン。

【サミー】ずっと変わらないんですね。

【寛治】出会いは1968年、高校一年生の時なんです。その時期って難しいものが好きになったり、危なっかしいものに手を出したりする年頃ですよね。純文学にハマってみたり、実存主義哲学に興味を持ったり。

【サミー】背伸びをする時期ですよね。

【寛治】インド哲学というか、インド思想に興味を持ち始めた頃でもありました。社会情勢的にも混沌としていて、学生運動があったりして。僕は東京都内の高校に通っていたんですけど、都立高校でも学生運動があってね。

【裕】そうでしたね。

【寛治】そういうのに興味を持って、アジ演説している人の姿を見て、おーって思ったり。社会が混沌としている様子を見ていました。その時に、世界はこれで良いのか！っていう感じで出てきたのが『ホワイト・アルバム』だったんですよ。

【サミー】なるほどー。

【寛治】真っ白なジャケットで、ビートルズから「お前ら、これで良いのか！」って言われているような気がした。社会の縮図みたいな印象が強い。

【裕】ほー。

【寛治】一曲目が「バック・イン・ザ・U.S.S.R」。東西対立の時代だったから、ソ連に戻れって、いったい何なんだって思った。そういう時代に、この曲が一曲目に来る。のちに知ったことですけど、黒人運動への「ブラック・バード」があったり。ジョンは「革命だ！」って叫んで。「ナイン」の方は混沌としていて、まさに時代を象徴するような。そんな曲が続いていた。

【サミー】リアルなお話です。

【寛治】僕は奥手で無口な方だったんですけど、ジョージの曲を見ると「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウイープス」は哲学的でギターがかっこいい。「ピッギーズ」は豚どもをやっつけろ！みたいな（笑）。

【サミー】資本主義、資本家への批判でしょうかね。

【寛治】「ロング・ロング・ロング」っていう変なラブソングがあったり。「サヴォイ・トラッフル」は難しい言葉がいっぱい出てくると思っていたら…

【裕】チョコレート（笑）！

【寛治】時代にぴったりなアルバムだった。僕にとってはこれが人生の哲学書。

【サミー】当時からジョージが気になる存在だったんですか？

【寛治】『ホワイト・アルバム』でもジョージの曲は共感できました。他の曲は理解できたり、できなかったり。

【裕】なるほど。

【寛治】そんなわけで、『ホワイト・アルバム』から「ピッギーズ」を聴いてみたいと思います。

Piggies (Remastered 2009)Provided to YouTube by Universal Music GroupPiggies (Remastered 2009) · The BeatlesThe Beatles℗ 2009 Calderstone Productions Limited (a division of Universal...

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お知らせのコーナー

【裕】リスナーの方からのメッセージをご紹介します。朋ちゃん　さんより。

杉田さん、サミーさんこんにちは。毎週楽しく、聞いてます。

「タックスマン」や「イエロー・サブマリン」を深く知れてとても嬉しかったです。

ビートルズしりとりも、知ってる曲が特に今回、多くて楽しめました。

朋ちゃん

【サミー】ありがとうございます！「ビートルズしりとり」は好評をいただいていますよね。さて、広田さん、インフォメーションをお願いします。

【寛治】１年間温めてきました『ザ・ビートルズ　アルバム・バイブル』が、３月13日、発売になりました。最近は、マニアの人と初めて聴く人の差が大きくて、ビートルズの本を作るのが難しい時代になっています。僕はずっと初心者とマニアの方が仲良く読める本を作りたいなって思ってきました。それをアルバムという切り口で実現させているので、皆さんに読んでほしいなって思います。