ビートルズのラジオ番組といえば The Beatles Lover No.5 ザ・ビートルズ・ラバー・ナンバー・ファイブ
人気ラジオ番組が、読んで楽しめるテキスト版になりました。
ディープなファン目線、そしてサウンドメーカー目線でビートルズへの愛💖と共に楽曲を紹介していく人気ラジオ番組「The Beatles Lover No.5」。
杉田裕(JAYWALK)とサミー小川(メディアプロデューサー)がナビゲートします。
465回【2026年2月21日〜27日】の放送は、アルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ』(With The Beatles)の楽曲をご紹介します。
【サミー】年齢とともにいろんなところが衰えますが…
【裕】そのひとつに「声」っていうのがあります。お年寄りの声がかすれていたりしますよね。僕は少し前に風邪をひいて、声のかすれが続いていたんです。それで、ボイスクリニックに行ってみました。
【サミー】声専門のお医者さんですね。
【裕】ファイバースコープで声帯を診てもらったら、声帯が痩せてきちゃいましたねって言われたんです。声を出すと、声帯の下のほうに隙間ができていて、それによって声がかすれることがわかりました。
【サミー】治るんですか?
【裕】声帯の筋トレをしなさいって。声帯は筋肉だから、どんどん使ったほうが良いですよって言うんです。
【サミー】へー。ノドを休めましょうって言われそうな気がする。
【裕】その先生は、どんどん使ってくださいって。だから、帰りにカラオケボックスにでも行こうかなって思っちゃった(笑)。声帯の筋トレの方法も教わりました。
【サミー】どうやるの?
【裕】左右の手の指先を胸の前で組んで、引っ張り合いながらノドの声帯を「うっ」って締めるんです。
【サミー】声帯を意識するのが難しい…。
【裕】ノドを締める意識で、声は出さない。それを朝昼晩10〜20回ずつ毎日やれば2週間くらいで戻るそうです。
【サミー】成果が出ると良いですね。僕もやってみよう。ところで、今週ご紹介する曲は?
【裕】今週からセカンドアルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ』に入ります。A面1曲目「イット・ウォント・ビー・ロング」(It Won’t Be Long)、2曲目「オール・アイヴ・ゴット・トゥ・ドゥ」(All I’ve Got To Do)をご紹介します。
【サミー】では担当する曲を「ビートルズじゃんけん」で決めましょう!「ビートルズじゃんけん」は、グーはジョン、チョキはポール、パーはジョージ、あいこの時はリンゴと言います。手の動きと口の動きを連動させるのが脳トレになりますよ!では、「最初はジョン」で始めるよ…。
オープニングテーマは杉田裕の「ビートルズなんて誰も知らない」
「E」から「C」への進行がたまらない「イット・ウォント・ビー・ロング」(It Won’t Be Long)
【裕】勢いがあって良い曲です。「be long」と「belong」をうまくかけていますよね。ファーストアルバムの「P.S.アイ・ラヴ・ユー」で3人のコーラスがありますけど、コーラスを多用しているところはそれを意識しているのかなって思う。そして「( it won’t be long ) Yeah! Yeah! Yeah!」のところもすごい。
【サミー】波が押し寄せるようなコーラスですよね。
【裕】歌詞はジョンらしいというか、恋愛の不安や孤独を表現しています。それがコード進行にも現れている感じがしているんです。キーは「E」なんだけど、Aメロで「E」から…
【サミー】「C」に行くところ!
【裕】そう!「E」から「C」に行くのは珍しいよね。そしてギターのフレーズも独特な感じ。ジョンが考えたのかな?あと、大サビはだんだん音が落ちていくんだけど、そこが恋愛の不安感を表している感じがします。
【サミー】エンディングはコードが半音ずつ下がって、「Emaj7」で終わるのも不安定な感じを表していますよね。
【裕】曲調とは違う感じのエンディングをつけているところが面白い。
【サミー】素敵です。
【裕】このアルバムは中学2年の時に買ったんですけど、その時はこの曲を受け付けられなかったんです。ちょっと複雑すぎちゃってね。当時はもっとポップなビートルズを聴きたかったんですね。だんだん聴いていくうちに、すごいなって思うようになりました。
【サミー】ジョンは「シングルにしようと思って書いた」と言っています。
【裕】レコーディングは最初の方だった?
【サミー】6曲目でしたが、オリジナル曲としては一番最初でした。このアルバムのレコーディングは63年7月18日に始まっていて、その日は4曲録っています。次は7月18日に4曲、9月11日に5曲、9月12日に1曲という進み方でした。レコーディング期間は7月から9月までにまたがっていますが、実質4日ほどで完了しています。ライブで無茶苦茶忙しくて、曲も作らなければいけないし、追われまくっていた頃ですね。
【裕】1年にアルバム2枚がノルマですからね。
【サミー】このアルバムはジャケットが印象的ですよね。
【裕】良い写真ですよね。
【サミー】ロバート・フリーマンが撮影しましたが、一発撮りなのか合成なのか議論がありますね。写真家の福岡耕造さんは、一発撮りなのではと言ってましたけど。
【裕】この番組が始まった頃に、ディレクターのササキケンジさんと、これに似せた写真を撮りましたよね。
【サミー】撮ったねー(笑)。僕は中学生くらいの頃、この雰囲気の写真を撮りたくて、部屋を暗くして横からZライトを顔に当てて撮影したことがありましたけど、うまく撮れなかった(笑)。
【裕】これは難しいでしょう。
【サミー】しかもイギリス人のように鼻が高くて彫りが深い人はさまになりますけど、日本人のような平べったい顔で団子っ鼻では無理があります(笑)。
ブルージーでソウルフル!大人びたジョンと、若いジョージとポールのコーラスの対比が魅力「オール・アイヴ・ゴット・トゥ・ドゥ」(All I’ve Got To Do)
【サミー】アルバムのレコーディング11曲目、9月11日にレコーディングしています。最後の方ですね。ジョンの単独作と言われています。
【裕】一見カバー曲なのかなっていう感じもする。
【サミー】ジョンはプレイボーイ・インタビューの中で「スモーキー・ロビンソンをやろうとした曲だ」と語っています。
【裕】やっぱりね。
【サミー】同じインタビューで「ジス・ボーイ」は3パートのハーモニーのあるスモーキー・ロビンソンのような曲を書こうとしたと語っていますし、「ゼアズ・ア・プレイス」はモータウン的なものをやろうとしたとも言っています。どんだけスモーキー・ロビンソン好きなんだ!って感じです。
【裕】そうですよね。
【サミー】この曲のイントロは特徴的なコードをジャランと弾きますけど、「Eaug add9add11」というコードのようです。これはスモーキー・ロビンソン&ミラクルズの「Who’s Loving You」イントロの不安な感じのするコードに雰囲気が似ています。
【裕】複雑なコードだなぁ。
【サミー】ギターで弾くと、6弦はミュート、5弦は7フレット、4弦6フレット、3弦5、2弦7、1弦5となります。実際にやってみると、無茶苦茶な抑え方というわけではないです。
【裕】そこから歌に入っていく雰囲気がたまらない。
【サミー】ポールのベースは、Aメロ前半は弦を2本弾きしています。ポールも工夫したんだなって思います。
【裕】なるほど。
【サミー】惜しむらくは、もう少しギターアレンジを練っても良かったかも。
【裕】確かに特徴がないよね。
【サミー】ジョージが得意とする、ちょこっとした小技がないんですよ。当日スタジオで初見だったという話もあり、仕方がなかったのかな。オリジナル曲が足りなくて追い詰められている状態で、ジョンが単独で作ってきてすぐに録音したんでしょうか。
【裕】ジョージは初見が弱いもんね。
【サミー】ジョージは家に帰って一晩練ってこないと…。それにしても、こういう曲を作ることができるのはすごいなって思います。
【裕】そうだよね。
【サミー】大人びた雰囲気のブルージーでソウルフルなジョンのボーカルに、若いジョージとポールのコーラスが乗るのが魅力です。
今週の「ビートルズ・カバーズ」
【裕】ビートルズ曲のユニークなカバーをご紹介する「ビートルズ・カバーズ」のコーナーです。
【サミー】今週は「It Won’t Be Long」と「All I’ve Got To Do」のカバーを聴いてみましょう。
【裕】どんなカバーかな?
【サミー】「It Won’t Be Long」はエヴァン・レイチェル・ウッド(Evan Rachel Wood)。2007年のミュージカル映画『Across The Universe』挿入歌で、アルバム『Across The Universe : Music From The Motion Picture』に収録されています。16曲全てのカバーが素晴らしい必聴のアルバムですよ。エヴァン・レイチェル・ウッドはヒロインのルーシーを好演しています。
【裕】そうですね。
【サミー】「All I’ve Got To Do」はルイーズ・ゴフィン(Louise Goffin)。この人はキャロル・キングとジェリー・ゴフィンの娘です。アルバム『Kid Blue』(1979年)に収録されています。アメリカンな雰囲気で、オリジナリティある仕上がりですよね。ちなみにギターはスティーヴ・ルカサー。
【裕】良い感じです。
【サミー】そして、Shogo Hamada & The J.S. Inspirationsのバージョンも聴いてみましょう。これは、浜田省吾とツアーメンバーによる洋楽カバープロジェクトのアルバム『The Moonlight Cats Radio Show Vol. 3』(2023年)に収録されています。同アルバムでは初期ビートルズをカバーしています。
【裕】声が曲に合っていますよね。それにしても、浜田省吾さんがビートルズのことをこんなに好きだったとは知りませんでした。
エンディングテーマは杉田裕の「絶望してる暇はない」







