ビートルズのラジオ番組といえば The Beatles Lover No.5 ザ・ビートルズ・ラバー・ナンバー・ファイブ
人気ラジオ番組が、読んで楽しめるテキスト版になりました。
ディープなファン目線、そしてサウンドメーカー目線でビートルズへの愛💖と共に楽曲を紹介していく人気ラジオ番組「The Beatles Lover No.5」。
杉田裕(JAYWALK)とサミー小川(メディアプロデューサー)がナビゲートします。
458回【2026年1月3日〜9日】の放送は、アルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』(Please Please Me)の楽曲をご紹介します。
【サミー】年が改まったタイミングで、デビューアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』のご紹介が始まります。
【裕】グッド・タイミングですね。
【サミー】『プリーズ・プリーズ・ミー』は10曲を10時間でレコーディングしたという逸話が残されています。杉田さんたちJAYWALKのデビューアルバムは、どんなレコーディングだったんですか?
【裕】バンドを結成してから半年くらいかけて曲作りをしてから、箱根のロックウェルというレコーディング・スタジオで行いました。一週間くらい泊まり込んで、ベーシックなリズム隊のオケを作ったんです。その後、東京に戻って詞を作りながら新大久保のスタジオでボーカルを入れたりしましたね。ダビングと歌入れに何日間か・・・。
【サミー】結構時間をかけましたね。
【裕】一日で10曲なんて、到底あり得ないですよ(笑)。ライブ盤だったらあるけどね。
【サミー】ホント、すごいスピードで録ったんですよね。
【裕】ビートルズの場合はキャバーンなどでライブをずっとやっていたしね。
【サミー】ジョージ・マーティンはライブっぽく録るという前提条件で、レコーディング計画を組み立てていたようです。レコーディング順も工夫が感じられますよね。そんなわけで、今週ご紹介する曲は?
【裕】アルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』A面1曲目「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」(I Saw Her Standing There)、2曲目「ミズリー」(Misery)をご紹介します。
【サミー】では担当する曲を「ビートルズじゃんけん」で決めましょう!「ビートルズじゃんけん」は、グーはジョン、チョキはポール、パーはジョージ、あいこの時はリンゴと言います。手の動きと口の動きを連動させるのが脳トレになりますよ!では、「最初はジョン」で始めるよ…。
オープニングテーマは杉田裕の「ビートルズなんて誰も知らない」
完璧さよりも躍動感、テクニックよりも若さが魅力の名曲「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」(I Saw Her Standing There)
【裕】勢いがあるし、若さもあるし、ライブ感があって、アルバムの一曲目にふさわしい。
【サミー】まさにその通りですねー。
【裕】冒頭のカウントが演奏のテイクとは違う。カウントがあるから勢いが増した。これはジョージ・マーティンのアイデアなのかな?
【サミー】カウントを他のテイクから継ぎ足して、きれいに曲と一体化させたのはマーティンの指示だったと思います。ただ、それ以前からライブでもカウントをしていたようですけど、観客に向けてなのかメンバーに向けてなのか、どっちだったんでしょうかね。
【裕】それから「(She was just) Seventeen」という歌詞も心に引っ掛かるものがあります。最初は「beauty queen」だったそうですね。
【サミー】そうですね。それをジョンが「Seventeen」の方が良いよって変えた。「彼女は17歳、わかるだろ」って。一目惚れの歌ですかね。
【裕】テクニックよりも勢いと若さとライブ感があって、完璧さよりも躍動感がある。『アンソロジー4』の一曲目に「テイク2」があったけど、それも良いな〜って思いました。歌詞を間違えたりしてるようですけど、やっぱり勢いが大切ですよね。
【サミー】以前、リバプールに行った時に、ポールの実家(フォースリンロード20番地)を見学したんです。そこの居間にポールの弟のマイクが撮った写真がかけられていました。若きジョンとポールがギターを抱えて一枚の紙を覗き込んでいるものなんです。その紙には「I Saw Her Standing There」と書かれていました。
【裕】へー。二人で曲を書いているシーンなんだね。
【サミー】この曲は1962年11月頃にポールの実家で仕上げたとされているので、僕が見たのはおそらくその時の写真でしょう。
【裕】それで翌年2月11日にレコーディングされたんだね。名曲です。
【サミー】ホント、名曲です。
早くもハーフスピード録音が登場した「ミズリー」(Misery)、エンディング最後のファルセットは誰?
【サミー】2月11日、5曲目としてレコーディングされました。その日は午前に3曲録って、昼食を挟んで午後再開しましたけど、午後の部の2曲目になります。ジョンとポールのデュエットです。作曲は63年1月26日とされています。
【裕】レコーディングの直前だったんだね。
【サミー】当時ツアーを一緒に回っていたヘレン・シャピロのために書いたが拒否されたと伝えられています。ここに二つの証言があります。シャピロ自身は「マネージャーが自分に聞かせることなく断った」。ケニー・リンチは「ジョンとポールがヘレンにミズリーを歌って聴かせた。ヘレンは『ピンとこない、いかにも男の人の歌だもの』と言った」と述べています。結果として曲を気に入ったケニー・リンチがカバーすることになり、ビートルズより一週間早い3月15日にシングル発売しました。
【裕】そのあたりのことは昔の話なので、どうなんだろうね。
【サミー】忘れていたり、勘違いしていることもあるでしょうが、当人の話を無碍に否定することもできません。
【裕】確かにそうですよね。
【サミー】サウンドの特徴として、ピアノのハーフスピード録音をジョージ・マーティンが行ったことを挙げたいと思います。
【裕】この時からやっていたんだね。
【サミー】この曲のキーはCで、#も♭もなく、最高音は上のF(ファ)、最低音はE(ミ)というメロディなっています。ちなみに、エンディング最後のファルセット「ナナナナナナ」はそれを超えて上のC(ド)ですけど、これは誰が歌ったんだろう?
【裕】その前のファルセットはポールだと思うんだけど、そこはジョンが歌いそうな感じがする。
【サミー】フレーズ的に?
【裕】そう。ただ、声が高いからポールかなって。謎です。
【サミー】この辺りを考え始めると楽しくて夜も寝られない(笑)。
【裕】ビートルズを楽しむポイントの一つですね。
音楽ユーチューバー サッカリンの「ビートルズ・チルドレンを探せ!」今週はローリング・ストーンズ
【サミー】音楽ユーチューバー サッカリンさんによる好評のコーナーです。
【裕】ビートルズから影響を受けたアーチストや楽曲を独自の視点でご紹介していきます。サッカリンさん、よろしくお願いします!
【サッカリン】
どうも、サッカリンです。ふだんはYouTubeで動画を出したりしています。毎月、「ビートルズ・チルドレンを探せ!」を担当しています。
これが第8回目になります。今回紹介するのは・・・ローリング・ストーンズです。これは意外だったでしょうか?。でも、ストーンズのセカンドシングルは、レノン=マッカートニーによる「アイ・ウォナ・ビー・ユア・マン」。冷静に考えたらすごい話です。今じゃ考えられないですよ。二大巨頭みたいな感じがありますからね。
こうなった経緯は、ストーンズのマネージャーのアンドリュー・オールダムがシングルになる曲を探していた時に、偶然ジョンとポールに出会って、曲をくれないかとお願いしたんです。そしたらジョンとポールが、作りかけだった「アイ・ウォナ・ビー・ユア・マン」をストーンズのメンバーの前で完成させてプレゼントしました。ものすごい話です。この時代ならではの、おおらかさと自由に満ちている話です。
ブライアン・ジョーンズのスライドギターが最高です。
これに比べるとビートルズの方はもっと洗練されていますよね。そしてビートルズはハモります。ストーンズにはこのハモリはできないでしょうね。ビートルズのバージョンでは、歌っているのはリンゴです。ジョンは「良い曲だったらストーンズにあげていない」と発言しています。つまり、ビートルズからしたら、これはリンゴに歌わせるレベルの曲だよって言っているんです。ジョンらしい、ちょっとした対抗心が見られます。本当に敵対していたら曲なんてあげる訳ないんで、基本的には友達なんですけどね。
後年のジョンの発言で「ストーンズはなんでもビートルズの真似をしてきた」というのがあります。「ストーンズがビートルズと同じレベルだったことはない、常にビートルズの方が上だった」とも言っています。これを言える白人はジョン・レノンだけでしょうね。黒人だったら言える人がいっぱいいそうですけど。ということでストーンズが『サージェント・ペパー』を真似していた頃の「ダンデライオン」をお聴きください。ジョンとポールがコーラスで参加しています。裏声気味のバックコーラスです。
今週の「ビートルズ・カバーズ」
【裕】ビートルズ曲のユニークなカバーをご紹介する「ビートルズ・カバーズ」のコーナーです。
【サミー】今週は「I Saw Her Standing There」と「Misery」のカバーを聴いてみましょう。
【裕】どんなカバーかな?
【サミー】「I Saw Her Standing There」は告井延隆さん。
【裕】告井さんはすごいよねー。アコースティックギター一本でビートルズサウンドの再現に挑んでいる。
【サミー】初期が一番難しいとおっしゃっていました。「I Saw Her Standing There」はベースラインを休むことなく弾き続けながら、いろんな音を乗せていっています。
【裕】バッキングとメロディを入れていますよね。
【サミー】2月8日のイベント「THE BEATLES LOVER 5 大新年会」にも来てくださる。
【裕】楽しみですよね!
【サミー】「Misery」はケニー・リンチ(Kenny Lynch)によるカバーです。レノン=マッカートニー曲で初めてリリースされたカバーです。ヘレン・シャピロが断って、リンチがカバーして、ビートルズよりも一週間早くリリースされました。
【裕】リンチの歌ってことだね。
エンディングテーマは杉田裕の「絶望してる暇はない」





