ギリギリの8位ながらもどうにか入賞を果たしたナッキのレースに続き、私はハーフの部に出場いたしました。


ただ、今回は右足に爆弾を抱えてのレースですので、タイムよりも、とにかく完走する事を目標としました。


不安を感じながらスタート位置につき、知り合いを探して周りを見ると、他区ですが同じ体協支部の仲間であるD氏を見つけました。D氏も膝に故障があるようで、私と同じく完走が目標のようです。


そして9時55分、ハーフの部がスタートしました。しかし、ハーフは選手が3,000人以上いますので、後方に並んだ私たちがスタート地点に移動するまで1分10秒もかかってしまいました。


ゲストの千葉真子さん(元気な人だったなあ^^;)の声援に送られて、2分以上かけてやっと競技場を出ました。足の痛みは無く、アップの時は昨日のソフトボール大会の疲れもあってか重かった体も、心なしか軽く感じられます。


競技場は出たものの、まだ団子状態で自分のペースに上げられませんので、しばらくはD氏と喋りながら走っておりましたが、団子状態が解消していくに連れ、私のペースが上がりましたので、D氏とは離れてしまいました。


最初の2kmは13分37秒で入りました。時計はあくまでもグロスですので、ロスタイムの1分10秒を引いて、ネットは12分27秒。1kmを6分15秒弱という事になります。これはいつもに比べかなり遅いペースです。


 これはいかん。ペースアップしなければ。


と、焦りましたが、レースはまだ始まったばかりですし、右足の爆弾も気掛かりですので、はやる気持ちを抑えてスローペースを維持しました。


沿道では走路監視のボランティアをやっている体協の仲間たちが声を掛けてくれます。いつもそうですが、沿道からの声援には本当に勇気づけられます。


5km地点でのラップは16分17秒。この間の3kmはキロ5分26秒にペースが上がりました。足にも問題はありません。そこで適当なペースメーカーを捕まえながら徐々にペースアップを図りました。


10km地点でのペースはキロ5分10秒~15秒。いつもより15秒~20秒も遅いペースですが、今日はこのくらいにしておこうとペースアップを止めました。ゆっくりペースだったので、呼吸がいつもに比べかなり楽に感じますが、足取りがやや重い気がします。それでも足に痛みが無いのが何よりです。とにかく半分は無事に終わりました。


ペースを安定させると、今までは前走のランナーを抜いていく一方だったのが、一転して抜かれる方が多くなります。


私の脇をすーっと抜いていったランナーを見て一瞬ギョッとしました。なんとお尻丸出しで走って行くのです。(@_@;)


しかし、良く見たらお尻は作り物でした。どこの大会でも必ずいる仮装ランナーです。(-_-;)


 コノ~~ッ!人の前を尻振りながら走りやがって!


と、つい闘争心に火がついて、このランナーを追いかけて抜き返しました。そのまま再びペースアップして走り続けました。走行距離も13kmを通過。あと約8kmです。タイムは1時間10分。今のペースであと40分、さらにペースアップすれば1時間50分を切って昨年のタイムも更新できるかもしれません。前半のスローペースのお陰で多少余裕があります。


 よっしゃー!行ったれ!


と、さらにペースを上げました。ところが15km過ぎだったでしょうか、数十メートルほどちょっときつめの登り坂があり、そこで体力の消耗を避けようとペースダウンしたところ、急激にブレーキがかかってしまいました。


よく、ハーフの15km過ぎ、フルの30km過ぎと言われますが、まさにその言葉通り突然体が重くなり、足が上がらなくなってしまいました。今シーズンは走り込みが全然不足しており、このレースの前に20km以上走り込んだことがありませんでした。そのつけがついにやってきたものと思われます。早い話がスタミナ切れです。


ここからの5kmあまりは、まさに地獄でした。とにかく足が重くて全然前に進めません。17.5kmの関門付近のラップはついに7分台にまで落ち込みました。私をカッとさせたお尻丸出しランナーにもあっさりと抜き返されました。


私を挑発するかのように、仮装のお尻を振り振り前を走って行きます。私は、これを追う気力もありませんでした。


 チクショー!


ふと沿道を見ると、数十メートル程先で応援の人が何かを配っておりました。最初何かは分かりませんでしたが、通り過ぎざまに見るとチョコレートでした。


 ああ、チョコだったのかぁ、食いてぇ~~っ!


燃料切れでしたので、たった一粒のチョコでも貴重なエネルギー源です。でも、既に通り過ぎちゃいました。いっそ戻って貰おうかとも思いましたが、せっかくゲットした距離をまた戻る気力も無く、走り続けるしかありませんでした。


しばらく行くと給水所がありましたので、いつもはほとんど給水を取らないのですが、思わずコップを手に取るや、ぐっと一息に飲みました。しかし、走りながらですから上手く飲めず、鼻にも入ってむせましたが、この給水で少し元気が出てきました。


やがて高崎線のガード下をくぐり、上尾駅前通りに入りました。あと3km弱です。上尾駅前の交差点では体協の仲間が


 コラッ!ヒロシ、遅いぞ!


と声援(?)を送ってくれます。往路は笑顔で応える余裕がありましたが、復路は力無く手を上げて応えるのがやっとでした。


上尾駅を過ぎ、ゴールまであと1.5kmを切りました。タイムは1時間48分、既に昨年のゴールタイムです。いつもならこの辺りでスパートをかけるのですが、今日は全くその力はありません。喘ぐように走り続けます。


愛宕の交差点を越え、やっと競技場前の大通りに入りました。残り数百メートル。そして競技場に入りトラックを3/4周します。バックストレートに入りました。残り200Mです。ここで、最後の力を振り絞ってスパートをかけました。


ゴール前で前走者を二人ほど抜いてフィニッシュ!


私の時計は1時間56分34秒(グロス)でした。昨年のレースより8分も遅れてしまいました。やはり走り込み不足が響きました。


ゴールした時、係員から何やら黄色い紙を貰いました。それが何なのか確かめる気力も無く、芝のフィールドに向かって歩いていると、知り合いの体育指導員のK氏が声を掛けてきました。


 よお、ヒロシ君、お疲れ様。おっ!ラッキー賞ゲットじゃないか。


 えっ?ラッキー賞?


と、貰った紙を見ると、確かにラッキー賞の引換券でした。ラッキー!

(因みにラッキー賞はタオルでした。^^;)


係員に記録チップを外してもらい、芝生に寝転がりました。完走できた事もあって本当に気持ちが良かったです。このまま寝ちゃいたい気持ちを抑えて、ストレッチを一通り行ない、ナッキが待っているスタンドに向かいました。(嫁とアッカは野球の試合があるU太郎の昼食の世話のため途中で帰りました)


汗で濡れたシャツを着替え、ナッキを連れてサービスの豚汁とキウイを頂いて食べましたが、キウイの美味い事と言ったらありません。もう2、3個食べたかったのですが、残りが少ないという事で残念ながら1人1個でした。


豚汁をすすった後、売店で焼餅とおしるこを食べましたが、世の中にこんなに美味いものがあったのかと思うほどの美味しさでした。


タイムは全く不本意でしたが、とにかく途中棄権する事なく完走できた事、心配された右足に異常が無かった事が本当に良かったです。その右足ですが、レース後痛みが悪化するのではないかと覚悟していたのですが、1日経っても全く痛みが出ません。それどころか、前日まで歩行時にビッコを引くくらい痛かったのが、ウソのように治ってしまいました。


一体あの痛みは何だったのでしょうか?