シナリオライター兼ビデオグラファーの大西です。

9,10,11月は結婚式のシーズンなので撮影のご依頼を毎週のようにいただくわけなのですが



最近は法律も厳しく、披露宴中のBGMをDVDに収録したら著作権違反だ、などとJASRACに言われ、BGMは無音、乾杯やスピーチと音楽が被っているならスピーチも無音、あるいはフリー楽曲に差し替え、みたいなことがよく行われるようになってきました。

それでは10万20万支払った記録ビデオとしては如何なものかと、記録ビデオは友人や親族に依頼するという新郎新婦が増えているようです。

わたしとしては撮影のご依頼をいただけたほうが儲かるのでぜひ! というところではありますが、友人親族がきちんと撮影できるのであれば、わざわざプロに頼む必要もないだろうというのが正直な意見です。

結婚式のビデオ撮影をきちんと撮影するためのコツはそう多くはありません。

最も重要なことは、RECボタンを押すこと。

最近のカメラはハンディでも一眼でも優秀なので、録画ボタンを押しさえすれば大体撮れます。しかしながら裏を返せば録画ボタンを押していないと何も撮れていないということになるのでこれは押したほうがいい。

バカにしてるのか! と読むのをやめた方も多いかと思われますが、プロを名乗る方にも咄嗟にボタンを押せてなかった、ということもあるようです。色んな制作会社でレンタルカメラを使っている場合、録画ボタンの押し込む力加減が機種によって全然違う、というときもあります。

使い慣れたカメラを使うのがよいと思います。

以下、RECを押した後のコツについて簡単にご紹介していきますと、

・新郎新婦だけを撮らない

新郎新婦が主役の結婚式ですので、きれいに着飾った新郎新婦を撮っていなければ意味がないわけですが、当日の様子を振り返ってみたときに、ゲストや親族の表情が記録されているとよりよいビデオになります。着飾っているのは新郎新婦だけではないのです。

例えばケーキ入刀は重要なイベントのひとつですが、ケーキにナイフを入れた後はお2人、1分ぐらい止まったままの場合が多い。

映像が1分動かないと放送事故なので、ナイフを入れた後はくるっとカメラを回して、その様子を見ているゲストの表情を狙うのがよいかと思われます。

・カメラを動かさない

くるっとカメラを回して、と書いた直後に動かさないとは何事だ! と思われるかも知れませんが、素人とプロの違いはまずここにあります。カメラはズームできたりパンできたり、大変便利な機械ですが、カメラをあれこれ動かしていると撮影した気になります。

しかし、特に新郎新婦が主役の結婚式の記録映像では、そのときに起こっていることをそのまま記録することが最も喜ばれる撮影方法なわけです。カメラを動かした瞬間に、そこにカメラマンの主観や意図が入り込みます。

エンドロールやフォトスナップは別ですが、記録撮影にカメラマンの意図は不要、目の前で起こっていることが全てなので、カメラは三脚で固定して動かさないことが大切です。

・逆光に負けない

挙式をするチャペルや披露宴をする会場は、お洒落な作りが多いので、大きな窓がドカーンと全面に設置されていることがあります。

よく晴れた日など特に、そこから外光がたくさん入ってきて、オート設定でカメラを向けていると主役の顔が真っ暗に……ということがよく起こります。

これを回避するためには、露出を変えられるカメラを使うのがよいと思います。iPhoneで撮影するときも同様に、逆光の場合はお2人を長押しして露出を少し上げてあげると綺麗です。

・一番最初に立ち上がる

挙式中はいきなり起立すると何事かと思われるので、バージンロード側の一番端に席を取ってそこから撮影するのがベターです。

が、披露宴中はずっと席に座っていると撮り逃すタイミングがいくつかあります。

みんなが立ち上がるイベントのときです。前の人の背中しか映っていないということが考えられますので、特に乾杯とケーキ入刀という単語が司会の方から出た際には、高砂付近で待ち構えているのがよいでしょう。

色々書きましたが、あまり意識しすぎるとせっかくの式や披露宴を楽しめなくなるおそれもあります。そういう場合は当方にご依頼いただければ儲かるので助かります。

結局、宣伝なのかとお叱りの声が聞こえてきそうですが、はい、申し訳ありません。宣伝です。お2人の1日を記録して、Blu-ray(DVD)でお渡し65,000+税で承ります。


おふたリズム