イラッ!とさせられるこの手法。CM中にチャンネルを変えさせないためだというのはわかるが、一体、いつから始まったのか?
情報番組を手がけるテレビマンによると、「起源ははっきりしないが、家庭にリモコン付テレビが普及するようになった頃から始まったもの」だという。
「この頃から、TV局はCM前に強烈な映像を持ってくるなどの編集を意識するようになりました。例えば、『川口浩探検隊』の「ついに発見!?」」というのも典型ですね」
調べてみると、リモコン付テレビが普及し始めるのが1980年台(ちなみに、『水曜スペシャル川口浩探検隊』は1977年~1985年放送)。
そして、少々古いデータで恐縮だが、NHKが行ったテレビの視聴について調査結果を見ると、1982年にテレビをなんとなくいろいろ見る「漠然視聴」派は21%だったが、2002年には28%に上昇。年代別で見ると、20代で27%だった「漠然視聴」派は47%になっている。
放送される番組の質の問題もあるだろうが、テレビはいつしか、ぼんやりと眺めるものに。他にもっとおもしろい番組があるのでは?とザッピングするのも当然で、しかも、番組のエンディングまでおつきあいする義理はない。
「それが、困るのです。実はテレビの視聴率は1時間番組なら、その1時間の平均から算出されます。つまり、番組が後半にさしかかり、視聴者が『もう終わりか』とチャンネルを変えてしまうと視聴率が落ちてしまう。最後まで見てもらう必要があるんです」
加えて、制作サイドとしては、「翌週の予告を見てもらえること、同局の次の時間帯の番組も見てもらえる可能性が高まるという副次的な効果も期待している」とか。
「番組の終盤、3秒程の短い時間に次の時間帯の番宣が入ることがありますよね。『ブリッジ』と呼ばれるこの手法も、『CMの後もまだまだ……』というのと同時期に始まりました」
このほか、時報より数分少し早めに番組が始まったりするのも、CMを入れずに次の番組が始まったりするのも、視聴者をつなぎとめたいという制作サイドの苦肉の策。
「それぞれ、さまざまな工夫を凝らしていて、うまいなあと思う半面、どんどんあからさまになって、制作サイドも飽き飽きしているのが現状ですよ」
それ以上に、視聴者サイドも飽き飽きなわけなのだけれど。
文/小山武蔵