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スクランブル交差点

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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20111117-00014906-diamond-bus_all

 日本の食のシーンにおいて、なくてはならない醤油。一時期は、「卵かけごはん」用の醤油などがクローズアップされることもあったが、それだけ醤油に対してこだわりの嗜好を持つファンが多いということであろう。

 そんな今、全国の老舗の醤油銘柄を紹介するサイトが、静かに注目されているのをご存知だろうか?  醤油や調味料の専門サイト「職人醤油.com」がそれだ。東北から九州にまでわたる39の醤油蔵で、職人たちが丹精を込めてつくった醤油銘柄を案内している。

 中には、100~200年以上の歴史を誇る老舗も少なくないというが、ユニークなのは全ての銘柄を100mlのサイズに統一して販売していること。気軽に購入できるため、全国の愛好家からは“利き醤油”ができると評判だ。

 醤油の味は地域性を色濃く反映しており、関東では濃口醤油、東北・北陸・九州では甘口醤油が主流だという。そんな多彩な味わいも手軽に堪能できるのだ。さらには、各々の醤油蔵や職人のことも詳しく紹介し、「顔の見える醤油職人」としても信用を集めている。

 このサイトを運営しているのは、群馬県前橋市に拠点を置く株式会社伝統デザイン工房だ。代表の高橋万太郎氏は、1980年生まれという若き「醤油プロデューサー」。大学卒業後、大手精密電子機器メーカー「キーエンス」で営業に従事。もともと起業に興味を抱いていたが、ある日ふと耳にしたスティーブ・ジョブス氏の卒業祝賀スピーチ(2005年6月、スタンフォード大学)に感銘を受けて退社、独立を果たしたという異色の経歴の持ち主である。

 そんな彼が、全国の醤油メーカー250社以上を歩き、立ち上げた「職人醤油.com」。ときに醤油ソムリエとして、ときに醤油の営業マンとして奔走し、彼らの取り組みは小売業界でも注目され始めた。昨年10月、三越日本橋店や西武池袋本店がここの醤油を採用した他、今年9月には、東急ハンズ渋谷店の催事で「職人醤油.com」コーナーが誕生したほどだ。

 現在、日本には実に1600社ほどの醤油メーカーが存在するという。しかし、その多くが地場産業の枠を抜け切ることができず、さらには国内大手メーカーや中国メーカーに押され、経営は楽ではない。味と腕には絶対の自信と誇りを持つ彼らだが、ビジネスとしては時流から残されつつあるのが現状だ。

 そんな中、醤油をプロデュースする高橋氏のような存在は、極めて貴重なものであろう。日本文化が誇る全国の逸品を丹念にすくい上げ、広く紹介されることで、醤油という伝統技術に新たな光が当たる――そんな価値ある循環を、これからも見守っていきたい。

 (田島 薫/5時から作家塾(R))


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 ◇岩見隆夫(いわみ・たかお=毎日新聞客員編集委員)

 大阪が燃えている。火勢強く大火になりそうな気配もあるが、案外早めに鎮火するかもしれない。ヤジ馬がいる。火中に身を投じようとする者もいる。火元はどこか、と真剣に探る人がいる。めずらしいことだ。

 とにかく、地盤沈下がいわれて久しかった大阪が、派手に揺れるのは、結構なことではないか。大阪の繁栄につながっていけば、さらに結構である。

 ただ、約半世紀前、駆け出し記者の私が住んでいたころの大阪は、おっとりしていた。勤務先の毎日新聞の本社は大阪だったし、そういう会社がたくさんあった。東京を当然意識していたが、反東京ではなく、東京に対する劣等意識でもなく、むしろ優越的な気分が漂っていたように思う。

 私事で恐縮だが、一九六四年、東京に転勤する時、上司の社会部長は、

「江戸をちょこっと見てくるだけでええのや。大したことない。すぐ帰ってきたらええ」

 と言って私を送り出した。大阪-東京間はまだ夜行寝台列車だった。先輩記者は、

「おまえなあ、大阪にいるから世界が見えるんやで。東京なんかただの渦なんや。肝心なことは何も見えてへん」

 と言い聞かせてくれた。浪速中心主義が相当徹底していたのだ。

 しかし、今回の騒動の底流には、〈反東京〉がにおう。騒動の中心人物、大阪市長選候補の橋下徹前大阪府知事は、

「東の東京都。西の大阪都で日本を引っ張る」

 とぶち上げたそうだ。東西相携えて、とも聞こえるが、そうではなく、東京と別にもう一つ、関西に同じような日本の拠点を作るということらしい。いまでも拠点に違いないが、もっと強力なものを、と思っている。東京に対する敵愾心を感じるが、それは構わない。敵を設定するのは大きなエネルギー源になる。

 橋下さんの手法が、小泉純一郎元首相や小沢一郎民主党元代表と似てるとしきりに言われるのも、同じ理由からだ。三人とも独裁者的に振る舞い、意図して敵を作って戦闘ポーズを取り、選挙で多くのチルドレンを当選させてきた。

 人が言いにくいことを言ってのける点でも、三人には共通性がある。しかし、橋下さんの大阪都構想を初めて聞いた時、奇妙な感じがした。〈都〉という言い方はいかがなものだろうか。

 さすがに、東京都の石原慎太郎知事が、

「橋下君のいら立ちってよくわかる。ただね、『大阪都構想』ってやめてよ。都というのはキャピタル(首都)でね。国のキャピタルっていうのは元首がいて、国会があるところなんでね。これはちょっと勘違いしてるから、あの言葉は好ましくない。ほか(の考え方)は賛成だと言っているんだけど」(十月二十八日の定例記者会見)

 と、この人に珍しく、穏やかに異を唱えたのはよく理解できる。どこの国も首都は一つだけ、言うまでもない。

 ◇NY、上海、バルセロナ…首都にない魅力を育てよ

 だが、それ以前に、語感からしてよくないのだ。ネーミングは語感が大切である。二重行政をなくすという着想は評価するが、大阪都は木に竹を接いだみたいで、オオサカトという音も滑らかにいかない。

 かつて、大学の独立法人化の際、京都、大阪、神戸の国立大学を統合する案が検討されたことがあった。しかし、うまくいかない。阪大総長が、ある席で、

「大きな壁は新名称でしたね。関西とか近畿とかいうのはいいのですが、すでに同名の私大がある。京阪も阪神も私鉄で慣れ親しんでいるし、ついに妙案がなくてねえ」

 と笑いながら打ち明け話をするのを聞いたことがある。ことほどさように、ネーミングはむずかしく、知恵の絞りどころだ。大阪都でない、何かいい名称はないものか。

 また、橋下さんとライバルの平松邦夫市長の二人がにぎやかに訴える大阪改造構想はどこに違いがあるのか、もうひとつはっきりしない。週刊誌も巻き込んだネガティブ・キャンペーンと中傷合戦に明け暮れているが、住民の多数はどちらに任せれば住みよい大阪になるのか、わからないのではなかろうか。

 ダブル選挙の戦況はともに互角だそうで、それも大阪人の迷いの表れだろう。橋下さんはアジテーターとして一流かもしれないが、東京と違ってソロバン勘定に厳しい土地柄だけに、橋下流の過激な言動の値段が次第に下がってきたみたいだ。

〈大阪維新の会〉という橋下さん率いる勢力の党名も感心しない。これもネーミングの問題で、明治維新という言い方にしても進行中にあったのではなく、あとからつけられたのだ。鳩山由紀夫さんは「無血の平成維新を」などと吹っかけて失敗した。

 維新は革命の意味である。まだ事が成るかどうかわからないのに、最初から、当事者に、

「革命だ」

 と叫ばれると、次第にシラケを誘う。以前、石原慎太郎さんが命名した〈たちあがれ日本〉という老人議員たちの風変わりな党名も似たようなもので、気負いばかり先走り、結局名前負けしてしまった。

 大阪維新騒動も、とりあえず橋下さんの当落が決定的な分かれ道になるが、へたをすると騒動疲れだけが残ることになりかねない。大阪の有権者もむずかしい選択を迫られることになった。

 大阪の街が、私は好きである。東京と違うにおいがあって、いい。郷愁を誘うにおい、東京には薄いものだ。その魅力をどう育てていくかがもっとも肝心なことではないか。

 ワシントンよりもニューヨーク、北京よりも上海、モスクワよりもサンクトペテルブルク(旧レニングラード)、つまり政治的な首都よりも第二の大都市のほうがチャーミングで、私たちの足も向く。観光大国のスペインも、首都マドリードより海辺のバルセロナに断然そそられる。

 大阪もそうあってほしい。同じ〈都〉でなく、東京より大阪のほうが、と思わせるもの。大阪の味である。味にふさわしいネーミングである。〈大阪都〉ではない。

<今週のひと言>

 まあ、とりあえずこんなところか、TPP。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20111116-00000000-natiogeo-int

 最新の研究によれば、あくびには頭をカッカさせずに済む効能があるかもしれないという。冷静さを意味する比喩表現ではなく、まさしく文字通りの意味でだ。さらに今回の研究結果は、不眠症や片頭痛、てんかん病の患者にとっても幾ばくかの光明をもたらし得る内容だ。

 これまであくびに関しては、疲労から酸素不足まで、さまざまな理由付けが科学者によってなされてきたが、詳細な調査を行った者は誰もいなかった。「人間を月にだって送れるというのに、あくびがどんな役割を果たしているのか、われわれは理解していない」とメリーランド大学歯学部のゲイリー・ハック氏は話す。

 今回ハック氏はプリンストン大学のアンドリュー・ギャラップ氏との共同研究で、あくびによって上顎洞(副鼻腔の1つ)の仕切り壁が動いて送風機のように拡大・縮小し、脳に空気を送り込んで温度を下げるという理論を発表した。

 ハック氏によると人間の脳は、ちょうどコンピューターのように温度に対して非常に敏感で、効率よく機能するには低い温度を保たなければならないという。今回の研究は、ハック氏が以前集めたデータをギャラップ氏のデータと組み合わせている。

◆副鼻腔の役割とは?

 両氏の研究は、あくびの謎を解く鍵を示すだけでなく、なぜ副鼻腔が存在するのか、その理由も解き明かす可能性を持つものだ。これまで副鼻腔の存在理由については、明解な答えが見つかっていなかった。

 今回の研究結果についてハック氏は、「あくび・副鼻腔換気・脳の冷却の3つがとても簡潔にまとまった統一理論だ」と語った。

「正体があまり明確ではない2つ(あくびと副鼻腔)が、直接関係するかもしれないというこの仮説は、個人的にとても興味を覚える」と耳鼻咽喉科医ライアン・スーズ氏は話す。同氏はピッツバーグ大学医療センターの睡眠外科医局長でもある。

◆解剖から得たヒント

 ハック氏のチームは2002年に死体解剖を行い、副鼻腔の1つである上顎洞の仕切り壁が、多くの医学書にある説明よりもかなり薄く、柔軟性を持っていることを発見した。

 チームは、あごを動かした際に上顎洞の仕切り壁がたわみ、副鼻腔内の換気を行うと仮定した。「あくびは過度に大きな顎の運動で、これまで説明されていない人体のポンプ活動に何らかの役割を持つだろうという点から、常に上顎洞のことが頭にあった」とハック氏は説明する。

 その後ハック氏は、プリンストン大学のギャラップ氏が書いた博士論文に出会う。ギャラップ氏は2007年に、あくびの役割は脳の冷却にあるとの理論を初めて提唱した。

 以来ギャラップ氏は、動物(その多くがあくびをする)と人間の両方で持論の検証を進めてきた。例えば、ネズミの脳にセンサーを埋め込み、あくびの前と最中とその後で、脳の温度がどのように変化したか記録するといった研究だ。

 ギャラップ氏のグループは、あくびの直前に脳の温度が急上昇し、それから温度が降下し始めて、最終的にはあくび前の脳温度に急降下することを発見した。

 この観察結果についてギャラップ氏は、脳の温度上昇によってあくびが引き起こされ、「実際に脳の冷却を促進する」ことを示すものだと話す。

 さらに同氏は、慢性的なあくびの多発に悩む2人の女性について調査した。その1人はあくびの予兆を捉えることができたので、あくびの前後で彼女の体温がどう変化するのかを計測させてもらった。

 そして、あくびの前に上昇した体温が、あくびの後で降下するという結果が出た。これは「ネズミの脳温度計測とまったく同じ結果」だが、「研究の事例が2つだけという点に、われわれは慎重になるべきだ」とギャラップ氏は述べる。

 実際にハック氏も、「われわれは十分理解されていない領域に踏み込もうとしており」、あくびで脳が冷えるという理論は「大いに議論の余地がある」だろうとの見方を示した。

◆あくびの新理論は医療にも影響

 総合的にみてあくびの解明は、てんかんや偏頭痛といった特定の病状を診断する上で役に立つ手がかりとなり得る。どちらの病気も前兆として過度のあくびが起きるという。

 さらにピッツバーグ大学のスーズ氏は、いずれ今回の発見が、不眠症患者の治療に役立つだろうと付け加えた。同氏は不眠治療にかけては米国で最も著名な医師だ。不眠症患者は体温の制御が上手くできない。眠気を催すには、体温の降下が条件になる。

「副鼻腔をすすいだり冷やすことで不眠を治す、何らかの仕組みを思い描くことができる。今回の仮説は、今までと異なる形で不眠治療を助ける可能性を示した」とスーズ氏は語った。

 このあくびに関する研究は、医学研究誌「Medical Hypotheses」に最近掲載された。

Christine Dell'Amore for National Geographic News