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10月6日、突然の訃報によって、世界中が悲しみに包まれた。前日にはアップルの新CEOティム・クック氏から『iPhone 4S』が発表されたばかり。スティーブ・ジョブズ氏という羅針盤を失い、『iPhone』の先行きを不安視する声も聞こえてくる中、昔からアップル社をウオッチしてきたジャーナリストの林信行さんは、今回の『iPhone 4S』をどう見るのか。
―――新しい『iPhone』が『5』ではなく『4S』だったことをどう受け止めていますか?
『iPhone 4』が世に出てまだ1年と少し。発表会のティム・クック氏のプレゼンテーションにもあったように、高い顧客満足度を得ている中で、今あえてデザインを変えたり、名前を「5」にして新しくなったという感じを演出する必要はないということでしょう。そもそも『MacBook Pro』など歴代のアップル製品を見てもわかるように、アップルは特別な理由なしにデザインを変更したりしません。『iPhone 4S』は見た目こそ大きく変わっていませんが、カメラやCPUは大きく進化していますし、一方でバッテリーの駆動時間は『iPhone 4』と同じ。これは本当にすごいことです。『iPhone 3G』から『iPhone 3GS』になった時と同じで、外観が変わらなくても実際に使ってみて、ジワジワとそのよさがわかってくると思います。
―――ズバリ、『iPhone 4S』は買いでしょうか? 買いだとしたらどんな人におすすめですか?
「iOS 5」と「iCloud」によって、『iPhone』がPCがなくても使えるようになったというのが、一番の大きな進化だと思います。『iPhone』があればPCはいらないという人もいると思うので、そういう人にまずおすすめしたいですね。これまでもハードとソフトの両方を作っているのがアップルの強みでした。今回、そこにクラウドサービスが加わったことで、ハード、ソフト、クラウドを統合した環境ができた。そこに「Siri」ようなインターフェイスも加わって、これらが今後のアップルの強みとなっていくと思います。
―――「Siri」のような音声を使った操作方法は今後、普及していくと思われますか?
タッチ操作はもう成熟していますし、もっと簡単に疲れず操作できるインターフェイスが求められるのは当然の流れかもしれません。僕自身もクルマを運転していて手が離せない時など、音声で操作ができればとても便利だなぁと思うので。日本語は同音異義語も多く、解析が難しいかもしれませんが、対応する日を期待したいですね。
―――先の話になりますが、『iPhone 4S』の次に登場するモデルはどう進化すると思いますか?
そうですね、NFCや4Gネットワークなどの環境が整ってくれば、次なる進化として『iPhone』に搭載される可能性もあるでしょう。それが『iPhone 5』になるかもしれません。高速な通信環境が整えば、それを生かしたサービスやコンテンツが提供されるようになり、端末もそれに最適化されるので十分、可能性はありますね。
―――日本では今回の『iPhone4S』からauでも発売されることになりました。今後登場する『iPad』などもマルチキャリア対応になっていくのでしょうか?
日本だけでなく世界でも複数のキャリアから『iPhone』が発売される流れになっています。今後、『iPad』などにも波及していく可能性は大いにありますね。ただCDMA対応の『iPad』はまだ発売されていないので、何とも言えませんが遠い話ではないでしょう。
―――最後にティム・クックCEOを中心とした新体制でアップルはどう進んでいくのでしょうか?
ティム・クック氏はジョブズ氏と一緒に昔からアップルを引っ張ってきて、サプライチェーンマネジメントの神様と呼ばれるように、同社の今の在庫流通の礎を築いた人物。かなり頭の切れる人物です。今回の発表会のプレゼンテーションは、今後のアップルの組織運営のあり方が象徴されていたように思います。最初と最後にティム・クック氏が登場して、あとはそれぞれの担当者が役割分担をして話していましたよね? このように今後はティム・クック氏を中心とした“チーム力”でアップルをもり立てていくということでしょう。これまでのやり方とは若干、変わるかもしれませんが『iPhone』の今後についても不安要素は見当たりませんし心配はないでしょう。