http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20111106-00000023-rnijugo-ent
「最近の野菜は昔と比べて栄養価が落ちている」。あなたはこんな噂を聞いたことがあるだろうか? この説の真偽について、北海道立総合研究機構中央農業試験場の小宮山誠一主査に伺いました。
「時代に合わせて栽培方法や品種は変わるので栄養価の単純比較は難しいのですが、ほうれん草のビタミンC含有率は低下傾向にあります。その要因は品種改良や栽培技術開発がすすみ、本来の“旬”である冬場のほかに、夏に収穫する量が増えたため。冬作では約100日かけてじっくり育つので豊富な栄養を蓄えますが、夏場は強い日差しを浴びて約30日で生育するため中身が充実しないのです。また夏場は夜間の温度が高いので、呼吸量が増大して余計に糖を消費します。そのため糖含量が低下し、糖から生成されるビタミンCも少なくなってしまいます」
つまり旬の時期だけでなく、そうでない時期の栄養価と合わせて測定するようになったため、全体的に“栄養価が下がった”というわけだ。この説について、女子栄養大学の辻村卓教授も農畜産業振興機構の『月報 野菜情報“野菜の旬と栄養価”』(2008年11月号)で同様の報告をしている。
そこで、辻村教授により旬と旬以外の月でビタミンC含有量が最大4倍開くとされたほうれん草と約2倍開くとされたブロッコリーについて、実際に文部科学省の『日本食品標準成分表』で調べてみた。すると、「四訂版」(1982年)ではほうれん草(葉・生)可食部100gあたりのビタミンCが65mgだったのに対し、最新版では35mg。ブロッコリー(花序・生)が四訂版160mg、最新版120mgと記載されるなど、確かにデータ上は減少していることが分かった。
季節を問わず好きな野菜が食べられるのはある意味進歩でもある。今後は食材のバランスも心がけつつ、豊かな食文化を楽しみたいものですね。
(足立美由紀)
(R25編集部)