■対策は「ドリルで穴開け」
同じ22日には、日本の原子力発電の発祥の地である茨城県東海村の村上達也村長までもが「要請する状況ではない。東京電力福島第一原発事故の原因究明も収束もされていない」と運転再開に難色を示した。
なぜ、これほどまでに自治体の首長がこぞって運転再開要請に反発するのか。その理由の一つが、経産省と原子力安全・保安院が示す安全対策が余りにもお粗末だからだ。
海江田大臣が「水素爆発などの措置は適切に実施されている」と示した対策とは、単に「建屋にドリルで穴をあける」ことだ――。共産党・前参議院議員の小池晃氏が20日にツイッターで暴露すると、ネット上で驚きが広がった。
しかしこれはジョークやネタではない。原子力安全・保安院が18日付で発表した資料では、建屋内に水素が溜まるのを防ぐ目的で行うことが、写真付きで明記されている。
■経済優先で安全は保てない
自治体や大多数の国民が原子力行政に対して求めているのは、こうした付け焼刃的な内容ではない。巨大地震や津波に襲われても、東電原発事故で生じたメルトスルーや大量の放射性物質の拡散等の事態が生じないよう、原子力発電そのものの安全設計の見直すのが本当の安全対策のはずだ。
ところが現実には、経済界などからの運転再開要望に屈する形で、経産省が中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)以外の原発に「安全」のお墨付きを与えてしまっている。原子力行政が経済優先の論理にびびっている限り、原子力の安全は保てない。(オルタナ編集部=斉藤円華)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110625-00000301-alterna-bus_all