音痴克服しオペラ歌手へ!? 努力すれば夢はかなう | スクランブル交差点

スクランブル交差点

政治、経済などのニュースを中心にお届けしていきます。

 元LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン取締役で、現在はオペラの世界で活躍している谷口久美さん。日本に「ブランドの時代」が訪れる前の1975年にクリスチャン・ディオールパリ本社に入社。以来、ファッションブランド業界で輝かしいキャリアを積み重ねてきた彼女は、2008年にその世界から引退した。
 
「第二の人生は一番好きなことを目標にしようと思ったんです。それがオペラだったんですね。練習は、「勉強」と呼べるような本格的なレッスンはこの1年間ぐらいで、それまでの10年は仕事の合間でした」(谷口さん)
 
 そんな谷口さんだが、子どものころから音楽の素質があったわけではないという。「中学高校がカトリックで賛美歌を合唱する機会が多かったのですが、私が歌うとみんなが振りかえるぐらいの音痴で。もう歌は大嫌いでした。」さらに、「10年ほど前、友人宅のパーティで大の苦手なカラオケが始まって、『私は絶対に歌わない!』って言ったのに周囲にせがまれて、手拍子まで始まってしまい、仕方なく歌ったらみんな椅子からズルってすべって…。もう、すごいショックで。そこから音痴のコンプレックスを克服しようと仕事の合間に声楽を習い始めたんです。」(谷口さん)
 
 その後メキメキと上達。大阪国際音楽コンクールのコンチェルト部門で、1位と神戸市長賞を獲得。2010年11月にはイタリア文化会館で「トスカ&カルメン オペラ ハイライト」の主演を務めるほどに。「第二の人生でこんなに頑張っている姿を見て勇気をもらった」と観客から声をかけられた谷口さん。彼女の姿は多くの人に影響を与えているのだ。

普通であれば、マイナス思考に逃げ込みがちな自身のコンプレックス。逆にその克服を第二の人生テーマにしてしまうとは、なんとも元気をもらえるエピソードである。
  
【『UOMO』2011年3月号(1月24日発売)『可士和談義 連載第55回――谷口久美さん』より】