むらかみからのメッセージ

 

正誤問題の核心は「人間がどういうときに勘違いをするのか」です。したがって、そこを突いている問題は良問であるし、入試問題のレベルが上がるほどその割合は高くなります。

注意してほしいのが、ここに書いたことをテクニックとして使うことはやめてほしいということ。これはあくまで自身の考えを補助するものであってメインとして使うものではないということです。「すべて」があるから間違いと思い込むことは思考停止を生み、仮にその問題は正解したとしても今後の成長は望めません。人間は自身の頭であーでもない、こーでもないと思考した時に始めて成長します。成績が伸びない人に共通しているのが自分の頭で考えていないということです。なぜそうなるのか考えることをせず、答えを見て終わり。これではいつまでたっても成長できません。

 

自身の頭をフルにつかった解答へのプロセスをしっかりと持つ。ここができていれば仮に間違えたとしても、どこで間違えたかわかるので次へとつながります。こうした積み重ねを無意識的にやっているのが頭がいい人です。頭がいい人ではないのであれば努力して近づくことはできます。最初は面倒で、時間もかかるし、ともすると成績が落ちるかもしれません。ですが、中途半端な思考をしていては必ずある程度のところで成績は頭打ちになります。というのも、レベルが高い問題は、思考力を聞いているからです。難易度の高い正誤問題や論述問題は思考力なしに解けません。その思考力を鍛えるためには日々、自分の頭をフルに使って考えるということが必要です。

 

私が担任した生徒にこういう生徒がいました。「高校入試は周りに頼って、受からせてもらった他力本願の入試だったと。でも、大学入試ではそんな自分を変えて、自分の足でたち、自身が主体的に考え、動き、自力本願の入試にしたいと。」また、こんな生徒も「経済的な理由で塾には行けない。だから、塾に行かずサテライトと自習室、それから学校の先生を利用して必死に勉強した。塾に行っている生徒に対してはとても気になり、情報面でも学習面でも遅れていると不安な気持ちになった。合格した今振り返ると塾に行かないと心に決めたからこそ、ブレずに自分のペースを守り頑張れた自分がいることに気付いた。塾に行かずに志望の大学に行けたことは自分の自身と誇りにつながった。」と。

 

こう書くと塾を批判しているように聞こえるかもしれませんがそうではありません。大切なのは自分の足で立ち、自分の頭で思考し、自分の手足を使った行動することです。塾にすがる人は絶対に成績は伸びません。逆に塾を手段としている人はやはり成績が伸びます。塾や学校で10年以上教えてきた自分が、同様に自分で考え出した答えがまさに上記のことです。

(私の塾時代の生徒への合言葉が「塾にたよるな!」でした。)。

 

入試問題を解くことは出題者と対話をすることです。したがって、問題の奥にある出題者の意図を常に考えて解答すること。私自身も問題を解いていて、「そんなまわりくどい言い方しなくてもいいのに」とか、「そこはあんまり重要じゃないでしょ。」「えー、なんでこの流れでそんなところ聞くの?」なんて思いながら過去問を今も解いています。そして定期試験や実力テストはできるだけみなさんにここはわかってほしい、こういう視点に気付いてほしい、こういう形式になれてほしい、といった様々な思いを込めて作問してきました。解く問題に困ったら、過去の定期試験をもう一解いてみてください。

 

 私は難関大対策はとどのつまり、基礎の徹底だと考えています。土台がしっかりしていないと何も積み上がっていきません。妙なテクニック論に走るのではなく、一歩一歩努力を積み上げていきましょう。なかなか成果がでなくてへこんでいる人もいると思いますが、見えないところで力は育ってきています。しかし、努力をやめるとその育ってきたものも表にでてきません。成果がでなくてももがき続ける。そうした強い心をもってこの最後の時期を過ごしていく。何度もいいます。努力した分だけ必ず力はついています。自分を自分の努力を信じてください。

 

しかし、受験はシビアです。力があってもその力を出せなければ合格できません。本番に強い人、弱い人いると思います。鉛筆・シャーペン・消しゴムはどれを使うか、替え芯や消しゴムは十分残っているか。本番は何が起こるかわかりません。(私は、教員採用試験の際に、おにぎりにあたりました・・・。しかも浪人した年に。)また、人間はいつも通り力を出すことも難しい生き物です。

 

みなさんも部活動で成功した!やりきった!と思えたことはそう多くはないはずです。受験も同様に甘くはありません。でも逆に言うと、甘くはないからこそしっかりと準備した者が有利に働くのも事実。そういった準備をしっかりと行っていきましょう。そうやってリラックスして「いつも通りやろう」と力を出した人が、いつも以上に力が出る傾向があります。焦り、気負いは禁物。ここまでやったんだといい意味で覚悟を決め、リラックスして本番を迎えてください。そして、心のコントロール。うまく気分転換をして前向きに上向きに、ひた向きにいきましょう!そして絶対にあきらめない。

 

「この世に生を受けた人間は 

    脚が1本であれ 2本であれ 

    困難に立ち向かわねばならない。 

    どう生まれたかではなく 

 どれだけ価値のある者になれるか。  

    たくましくあれ。 

    可能性を高めよ。

 そのために痛みが伴おうとも 

 私は不満をこぼすことはないだろう。

 私の魂は屈することはないだろう。 

 どんな敵に立ち向かおうと 

 恐れることはない。

 私は自分の可能性を

    知っているから。」

(片足の全米レスリングチャンピョンの言葉)

 

  自分をあきらめない。

        夢は叶う。できる。

 必ずできる!