座る放哉(ほうさい)、歩く山頭火といわれた。
 両者とも大酒飲み、放哉は東京帝大の法学部卒、しかしお酒で失敗した。
 有名な句は
 「咳をしても一人」。
一切放下で西田天香の一燈園(イットウエン)に入ったが宿病と粗食で体をこわした。
 寒に入って
 「なにがうそでなにが本当の寒さかな」。

 久保田万太郎の句。
 「いふことの、あとさきになる寒さかな」
 「気やすめの薬ばかりや冬ごもり」
 「また人の死んだ知らせや冬ごもり」
 「死んでゆくものうらやましや冬ごもり」
 万太郎の気持ちが、わかりすぎるほど判ります。
 「湯豆腐やいのちのはてのうすあかり」
が、名句といわれた。

 下村非文さん(小生のお師匠さん)に
「おでんやの、すみにおらざる如くおる」
というのがあります。なかなか、良い句ですね。おでんのお皿は、大根だけ。寒いと、人間、欲が無くなります。