良かれと思って決断したことが 実は 最悪とは行かなくても間違った選択になってしまった、ということは往々にしてある。しかし、一般社会の事や恋人選びの事なら 笑って済まされる事もあるが 勝負の世界で しかも、ここ一番で判断ミスをすれば、取り返しのつかない結果になることは必然だ。

野球界に於いては動く事を良し、とする傾向があり、動かない事が敗戦に繋がると その事を揶揄する人は多い。

従って、動いた結果が良い方に動いた時は評論家と呼ばれる人がこぞって賞賛する。反対の結果になれば その動いた事を批判する者もいるだろう。

つまり、結果論の世界なのだ。私は 結果論が悪い、と言っているわけではない。野球の監督も 政治家の人達と一緒で「結果責任」だ。結果が良ければ評価され、悪ければ批判される。

1番 マートンという選択をした時、5番を誰にするか、当然、考えただろう。6番は そして7番は、と打線となるように考慮し、スターティングオーダーを決めたのだと思う。

仮に マートンが出塁をすれば 2番打者に 和田野球ならバントのサインも出すわけで 2番打者の選択も考慮しな
ければならない。

例えば 2番上本、と安易に発想すれば 上本の持ち味を潰す事にもなり兼ねないので その所は充分に考慮し そして肝心要の今季、タイガースの軸というか他のチームから嫌がれていた4番ゴメス・5番マートンと並ぶ打順と同等の破壊力を保てるかを考えれば 1番マートンにした場合、5番もマートンにするしかない。

ゴメスの後を打てる選手は 今 タイガースには マートンしか適任者はいない。要は 1番マートンの構想も面白いが、では 5番打者を誰にするのか、と考えれば 自ずと 1番マートンの案は消えるのだ。

コーチ会議では 当然 オーダーを決める話し合いが持たれる訳だが 誰が1番マートンと進言し、誰が5番を新井にと、推薦したのか、また、和田監督の発案なら反対者はいなかったのか、聞いてみたい。

極めつけは 7回裏 梅野に代打が送られたが これは理解出来るが 2死後 なんで鶴岡が代打で出て来るのだ。彼は 打力に問題があるからスタメンを外れているのだ。

彼が勝ちゲームの最後にマスクを被るケースが多いのは リード面には信頼を得ている証拠で先発出場出来ないのは 打てないからであろう。

それをよりによって 7回 同点の場面で出す神経が分からない。理由は一つ。捕手の梅野に代打を出した都合、8回から鶴岡がマスクを被るわけで ベンチ入り25名を考えれば あまり選手を使いたくないから鶴岡を代打に送り 余力を残しておきたいってところだろう。

梅野に代打を送れば 必然と代打鶴岡というケースになる起用法に何の疑問も起こらないのだろうか。

そもそも、捕手2人制は タイガースでは無理がある。例えば、巨人の阿部などのような捕手が元気でプレーしていれば 2人制ということは理解出来る。

しかし、梅野にしても鶴岡にしても ビハインドの試合では 代打を送られるケースが多い。こんなチームは 絶対に捕手は3人制にしなくてはならない。

もし、首脳陣が 万が一の場合は 今成という事を考えているのなら それはあまりにも 安易だ。プロのコーチングスタッフとして危機管理能力を疑う。

監督は スーパーマンではない。監督の足りない所を補うのが コーチ陣だ。監督が耳を貸さないって事も考えられるが 和田監督は 意見を聞く監督だと耳にする。

まだ、クライマックスシリーズも日本シリーズにだって 挑戦出来る位置にいるチームだ。襟を正す事を まず 首脳陣が選手に見せる所から始まらないと「チームを立て直す」なんて出来ないと私は思う。まだ、間に合う。それに気付いてくれるのを祈るばかりだ。