こんなに誰かを好きになるなんて
それが毎日の原動力になるなんて
思ってもなかった。
父さんだった人との暮らしは苦しいことばっかりだったし、早くじいちゃん達の所に逃げたかったけど、どうしてもどうしても、
もうとっくに好きになってた智と離れたくなくて
せめて友達として少しでも楽しい思い出が欲しかっただけだった…
想いが伝わるなんて全く期待してなかったし、
毎日家に帰るのが辛かったのに
学校さえ行けば智に会える、話ができる、って一方的な想いでもそれが嬉しいから踏ん張ってた。
好きを欲張ったから
あんな事になったのかも…
だからずっと怖かった。
いつかこの幸せが壊れちゃうかもって……
そしたら智が
試練は越えてくって……二人で越えるんだって。
あの時の顔を見て
一緒に居れたらきっと大丈夫と思えた。
そんな風に考えたらもっともっと愛しくて
大好きが加速して
だから久しぶりに会えた夏が終わるときに
また
いっぱい泣いてしまった。
すぐにでもまた会いたくて…。
智は早く大人になりたいと言ってた。
うん、オレもそう思う。
でもね、智…
きっと離れてる時間も生活も大事なのかも知れない。
だってね、あのまま智に寄りかかったまま甘えてたら
きっと二人とも立てなくなっちゃった気がする。
ちゃんと大人になるために
お互いが支え合えるように
神様が最初にオレ達に与えた試練だよね。
きっと。