もう明日帰るという前の日の夕方


和也の家の裏山に行った。


和也のお気に入りの場所。


「いつも此処に来たときはね、真っ赤な空を見ながら、明日は今日よりも楽しくなるようにって思ってたんだ……」と言う和也と夕日を眺めながら手を繋ぎ


そっと抱きしめる。








「ねぇ、智…これからもずっとオレ達が変わらず付き合ってくにはどうしたらいいのかな?」

「うーん…色々難しいけど…さ、その時その時で一緒に考えて努力するしかないんじゃね?」

「はぁ……だよね…やっぱり簡単じゃないよね…」

「たぶんな…。でも二人が強くなるなら悪い試練じゃねーよ、きっと。」



静かに身体を離した和也の顔は赤かった。

「…………///」

「ん?何?」

「だから…急に男らしいの、ズルい///」
そう言う和也は物凄く愛しくて…




「っば…か…お前も…可愛すぎ…だし///」



照れくさくてもう一度和也を引き寄せる。


「どんな試練にも負けないから。」

「うん、オレも。」



今の気持ちを一緒に抱えて


俺達は


前へ進んで行くんだ。


これからも


ずっと


二人で。







ひぐらしの声を聞きながら






終わりかけてる夏を感じて





今度は冬に会おうと




固く約束する俺達は





やっぱり寂しくて、



また



泣いていたんだ。