アイツの笑顔とさっきの姿がぐるぐる巡って
動けないでいる俺の周りで
いろんな大人がザワザワしていた…
どれぐらいの時間が経ったのかすら分からない。
「さとしっ…」
いつの間にか父ちゃんが座ってた場所に翔くんがいて、、
「しょ…くん…かず、和也が…」
これでもかって位出る涙が止まらない俺を翔くんが抱きしめてくれた。
「大丈夫、大丈夫だから」
繰り返し聞こえる声と共に背中を擦られて
やっと涙と震えが止まった頃
「二宮くん、怪我は酷いけど大丈夫だそうだ。」
って父ちゃんが言いに来た。
後で聞いたら、
顔の打撲、場所が悪ければ失明の危機さえあったとか…
後は執拗に蹴られたせいで、肋骨にヒビが入って…痛みで苦しくならないように強い薬を使ってるから今日は起きないと…。
家族以外は入れない部屋にいるから触れてやれなくて、
窓越しに見た和也はいろんな機械に囲まれて寝てたけど、なんだか消えちゃいそうで、だからずっと側に居たかったけど、
「智もちゃんと休まないと二宮も安心しないぞ」と翔くんに言われて
家に帰ることになった。