家に電話して母ちゃんの了解をとるのを見届けて翔くんは帰って行った。





「え…っと、いきなりですいません…お世話になります」

「遠慮しないでね。好きなだけ居てくれていいから。とりあえず、冷やさなきゃね。」


和也の顔を見た母ちゃんは用意してくれてた冷えたタオルを和也の頬に当て
口の中は大丈夫かどっか他に痛いところはないか確認した。


「大丈夫そうだからご飯にしようか。すぐ食べれるから、ね。」

「腹へったぁ~」


「ほら、二宮君こっちに座って。」
先に晩酌してた父ちゃんがニコニコと声をかける。




「大丈夫か?」

座った途端になんだか静かになってしまった和也を覗き込むとポロポロ流れる涙を必死に拭っていた。



「かず…」
「ご…めん、、大丈夫…嬉しかっただけ、だから…」

鼻をすすって持ってたタオルで顔を拭くと

「頂きます」ってヘヘッと笑った。








「うん、ちゃんと食べれたね。じゃあ大丈夫」

「美味しかったです。ご馳走さまでした。」

茶碗を持って立ち上がる和也を止め、
「あ、二宮くんは今日はお客様だから座ってなさい。ほらっ!智!あんたが持って行きなさい!」

「わーってるよっ。和也、明日からは容赦ないぞ?」
「人聞きの悪い…食器を下げるくらい当たり前です。ふふっ。二宮くんも明日からはちゃんとやってもらうから。」
「はい。笑」


お風呂に入っちゃいなさいと言われ
またあたふたした俺は
クスクス笑う和也に着替えを押しつけて
「布団敷いとくっ!」と母ちゃんを追いかけた。