「……知らない男と…ホテルに行ったんだ…」



(ええっっ!?)
驚いて顔を上げると和也がチラリと俺を見て話を続けた。


「ちょっと家に帰りたくなくて…フラフラ歩いてたら声かけられて。なんか別にいいやってどうでもよくなって着いてったんだけど、、、途中でさ、急に怖くなって……やっぱり帰るって男と揉めてさ。でも力じゃ敵わなくて引っ張って行かれそうになった時に櫻井先生に見つかって助けてもらった…なんで揉めたか分かっても誰にも言わないでくれて…」



「そっか…。」

「……引かないの?」

「う…ん、未遂でよかったとは思った。だって好きでもない人と、なんてさ…」


ポカンとした和也が笑い出した。

「そこ?」

「え?」

「好きでもない人って、そもそも男同士だし」

「男だろうが女だろうが好きな奴じゃなきゃそんなことしたくないだろ?俺は……そうだし。それに……お前好きだし…多分……」




「智って…良い奴だね。」
照れくさそうにそう言ったアイツを見たら

俺まで恥ずかしくなって
昨日みたいにあたふたしちゃって
また和也に笑われた。