連日のこの暑さ。

食欲などまるでない私だけれど、

仕事で体力を使い、

また帰宅が遅いことを考えると、

せめて朝食だけは、しっかりとらないとと思って、

一応きちんと毎朝作る。

……といっても簡単なものだけどね。

 

サラダとフルーツは欠かさないオレンジリンゴ

サラダは今の季節なら、だいたいレタスにトマト🥗

トマトなら、大きいの1個全部食べるよ🍅

夏以外の季節では、ほぼ毎朝ブロッコリー🥦

冬はほうれん草のソテーが多いかな。

 

乳製品が好きなので、ヨーグルトとチーズも必ず食べる。

ヨーグルトには自家製ジャムをそえる。

実家から送られてきた柚子で作ったジャムがまだ残っているのよ。

私は実はジャムづくりが好き。

夫はイチゴジャムが好きだったな。

夏、信州に行くと、

道の駅でルバーブを買って帰り、ジャムをよく作った。

ルバーブってね、あまりなじみがないけれど野菜です。

フキの一種で酸味があり、

色が鮮やかなルビー色。

これはジャムにして食べるとおいしいの。

(最近は時々スーパーでも見かけるよ)

食パンは体によさそうな全粒粉のパンって決めてるパン

それにスライスチーズをのっけてトーストする。

イングリッシュマフィンやベーグルも好き。

ベーグルだったらクリームチーズを塗りたくる。

イングリッシュマフィンは、これもやはり全粒粉かライ麦入り。

マーガリンは夫が嫌いだったので、必ずバター。

 

そして、卵料理はたいてい目玉焼き。

ハムエッグにするときもあれば、

ベーコンをカリカリに焼くことも。

美味しそうなちょっといいソーセージをソテーすることも多い。

目玉焼きは私は半熟が好きだけど、

夫はどちらかというと固め派だった。

 

飲み物はたいていコーヒー。

夫がいた頃は真夏でもホットだったけれど、

今私は牛乳多めのアイスカフェオレ(つまりコーヒー牛乳ね)

 

これだけでも十分でしょ?

でもね、夫が健在だった頃は、

手作りのスムージーも欠かさなかったの。

材料は、だいたい

ケールにリンゴにレモンにはちみつ🍋

セロリやパセリを入れると外国っぽく(?)なるよ。

何年も作っていたので量は目分量で。

これが目覚めの一杯で、

いつも夫は口の周りを緑色にして、「おいしい!」と飲んでくれてたの。

でも今は自分一人のためには作らない。

 

こう書くと、

私って、さもお料理好きで、

健康的な生活送っているように見えるかもしれないけれど、

なにしろ夕食はいいかげんでテキトーだからね。

昼食だって、食べているのかいないのかわかんないような…

お菓子やアイスクリームですませちゃうときもある。

抜くことも多いしね。

 

朝食までいい加減になると、

私、どんどん何もかもがいい加減になりそうだから、

それがこわいんです。

自分で自分にどこかで歯止めをかけないと、

一人暮らしって、一度落ちるとどんどん落ちていきそうで。

これだけはきちんとやろうと、自分の中で何かを決めておかないと。

そう思って、私の場合、毎朝の朝食づくりを自分に課しているんです。

そのおかげか、今のところ特に健康に問題はないです。

 

 

で、ある朝、

目玉焼き作っててふと思い出した。

 

夫は私の作る朝食をいつも喜んで食べてくれていて、

それは、病気になってからもそうだったんだけど…

 

いつ頃からだったかな…

食べるのが遅くなり、

口数も少なくなり、

なんだか食べるのが苦痛そうになってきたのは。

 

ある時、

目玉焼きの白身の部分だけ少し、ゆっくりと口に運ぶと、

お箸が動かなくなって、

苦しそうにこう言ったの。

 

「この玉子の黄身の部分が、なんだか油っぽくて食べられない…」

 

この時のことが、

今も鮮明に私の記憶に残っていて、

突然思い出されて、

私を苦しめる。

 

あんなに頼りがいがあって

たくましかった強い夫が、

とっても小さく弱々しくなってしまい、

いつのまにか私に守られる立場に逆転してしまった。

 

 

私、たしか、そんな夫の姿が痛々しくて、

「いいよ、いいよ、

 無理して食べなくてもいいよ」

と、あわてて言って、そのお皿を下げたの。

 

夫は私の作った食事を残したことはなかった。

 

申し訳なさそうな、

情けなさそうな、

悔しそうな、悲しそうな、

なんとも言えない表情の夫の姿を見るのはつらかったな。

 

 

あれはいつ頃だったかな。

あの頃から夫はみるみる食欲が落ちていって、

元気もなくなり、

どんどん体が弱っていった。

 

朝食を作りながら、

そんなことを、ふと思い出したりする。

 

ひとりの食事は味気ない。

どんなにがんばって作った料理でも。

いや、がんばって作れば作るほど、むなしくなる。

今の私にとって、食事は給油作業のようなもんかな。

あるいはスマホの充電と同じ。

栄養補給作業以外の何物でもない。

一日のエネルギーをチャージし、

自分で自分が崩れないようにするための、

義務感からする作業でしかないの。

護岸工事と言ってもいいかな。

そこに美しさや楽しみはないけれど、

でも洪水や津波を防ぐために絶対必要な作業。

 

まずいものを食べているわけではないのよ。

でもね、

「おいしい」と思う事はあっても、

それは舌先だけの感覚で、

心からの喜びではない。

あの、心が満たされるような満足感はどこへ行ったの?

 

でも、それでも最低限自分の健康が守られるのなら、

今はそれでいいかな。

無理しない、無理しない。

 

 

 

食にまつわる夫の思い出は多いです。

だんだん食べられなくなる夫の姿を身近で見てきたから、

どんな美食も、夫を思い出して悲しく虚しくなる。

「食べさせてあげたかった」とどうしても思ってしまう。

みなさんもそうなのでしょうか。

 

いつになったら純粋に食事を楽しめるようになるのかな。

 

 

 

それにしても今日も暑いね。