そろそろ限定記事ではなく復活しようかと思います。

まだあまり訪問はできないかもしれませんが、

親愛なる読者のみなさま、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

実家の庭で草取りをしながら思ったの。

 

この雑草、あの時のと同じだ…

 

あの時…

 

夫が亡くなったのは3月末。

いろんな雑務に忙殺され、心を無にして動いていたあの頃。

時間ができると私は庭に出て、ひたすら雑草取りをしていたの。

ただもう無心になって、ひたすらひたすら…

 

もともと土いじりは好きなんです。

幼い頃から、一番好きなお手伝いは「草取り」という変わった子供でした。

なんでだろう。

お花を植えたり草木を育てるのは苦手なんですよ。

それよりも、雑草を取ったり、木の剪定をしたり、落ち葉を掃いたりする方が好きでした。

庭の「お掃除」が好きだったのね。

外出していても、やたら道路脇の雑草に目がいって「取りたい」という衝動に駆られる。

ブチっと根が切れることなく、スポっと抜けるときのあの快感は何とも言えない。

実際、信号待ちしている間に足元の雑草を抜くこともしょっちゅう(笑)

 

よそのお宅のお庭を拝見しては、

「この家はよく手入れしている」とか

「家屋は豪華だけれど、お庭は放りっぱなしね」とか勝手に品定めしてしまう。

お庭を通して、そこに住んでいる人がどういう人かが透けて見えるんですよ。

確信持って言えます。

お庭がよく手入れされているお家(業者任せではなく)の住人は、絶対いい人に間違いない!

 

で、草取りですが、

私の場合、ひたすら無心になれるんです。

それに、草や土の匂いが心地よい。

外での活動だから風も吹くし、開放感があって癒されるんです。

日焼けと虫刺されだけがネックだけど、万全の対策を取って全身武装します(笑)

腰も痛くなったりしますが、全然苦になりません。

 

 

 

夫が亡くなった当初、

一人で家の中にいるのが耐えられなかったの。

何を見ても思い出すし考えてしまう。

息が詰まりそうで、一日に何度も号泣してしまう。

そんな時、私はすぐに外に出て、

ひたすら草取りをしてました。

それも何時間も。

時に日が暮れてあたりが見えなくなるまでずっと。

草取りしながら何度か突発的に号泣したけれどね。

それでも家の中にいるよりかは気が紛れたの。

無心になれるところが何よりよかった。

ずいぶん雑草さん達には助けられました。

 

 

一年中草取りはしていたけれど、

夫を亡くした直後、つまり4,5月頃の雑草はよくおぼえている。

夫の死と重なって私の記憶に刻み込まれてしまった。

名前もよく知らない草だけれどね。

 

以前から実家でも時々草取りはします。

 

でも、今回の草取りはあの時と同じ。

夫を亡くした時と同じ。

 

号泣とまではいかないけれど、

家の中にいると気が詰まりそうだった。

 

悲嘆にくれる母

気丈に振舞う義姉

無口な甥

 

私はどう振舞えばいいの?

下手に気遣いしない方がいいのはよくわかってる。

 

気づいたら、私はまた庭に出て草を取っていたの。

 

そうして、ふと兄のシミ一つない真っ白な手を思い出しました。

 

思わず息をのむような、それは綺麗な手だったのよ。

 

お釈迦様の手も、あんなかしらね