私はこのブログを書き始めてもうすぐ2年になるけれど、

最初の頃はこう思ったの。

夫のネタもいずれ尽きるんじゃないかってね。

 

当初は書きたいことがいっぱいで、

と言うより、何から書いたらいいのかわからなくて、

とにかく思いつくことを、何の脈絡もなしに、好き勝手に綴っていたの。

誰かに読んでもらおうとか、

「いいね」をもらおうとか、

フォロワーを増やそうとか、

そんなことちっとも考えなかった。

ただ、夫を亡くした苦しみ悲しみをどこかで出さないと、

私自身がどうにかなってしまいそうという恐怖にも似た思いで、

切羽詰まった思いで書き始めたの。

 

傷つくことを恐れて、人との関りを極度に避けていたあの頃。

心がものすごく過敏になっていたから、

悪気はなくとも不用意な言葉で傷けられるんじゃないかと思って、

夫を亡くしたことを話す人は、それこそ厳選していた。

感覚的にだけど、本当に大丈夫と思える人にしか話さなかった。

私のその無意識にせよ自己防衛本能的な行動は正しかったと思うよ。

だって本当に、今まで誰にも不用意な言葉や態度で傷つけられたことはないからね。

 

そういや私は

「元気そうね」なんて、一度も言われたことはない。

ご主人の話など、一度もされたことがない。

一家団欒の話も。

私が夫を亡くしたことを打ち明けた人は、ご自身のプライベートな生活(旅行とか)を決して話さない。

ただ静かに私の悲しみに寄り添ってくれた。

こういう時にその人の人間性って出るよね。

というか、私との関係性の問題?

いずれにせよ、そういう意味では私、人を見る目はあったのかな。

ま、私のガードが固すぎたせいだろうけど。

 

でもね、

その代わり、なかなか自分をオープンにはできなくて、

それはそれで苦しかった。

本当の意味で、苦しい思いを出せるのはグリーフケアの方たちの前だけだった。

ずいぶんと救われ心から感謝しているけれど、

でもグリーフケアの方たちだって、いつも傍にいて話を聞いてくれるわけじゃない。

一カ月に一度、限られたごくわずかな時間だけ。

結局、私の心はずっと孤独だった。

深い深い、先の見えない闇の中をさまよっているみたいだった。

 

思いを文章にしてみる。

 

そのことで、心の整理ができ、気持ちを落ち着けられるんじゃないか。

とにかく自分一人の心の中に何もかもため込んでいては、いつかは私は壊れる。

なんとなく不安でものすごく怖かった。

私は実は、夫と知り合う前の20代に鬱になったことがあって、

あの時のなんとも言えない感覚を思い出し、とにかく怖かった。

そこで、おそるおそるブログという世界に踏み込んでみたの。

 

ここに思いを綴っているみなさんは、私と同じような体験をなさっている。

その気持ちはわかりすぎるほどわかる。

こんなところに仲間がいたのね。

ここなら私の居場所になれそう。

これなら私も書けそうかな…。

 

そんなわけで、手探り状態で始めたブログです。

 

でね、

冒頭に書いたことだけど、

 

【実感】

夫のネタは決して尽きない。

 

いや、尽きさせてはいけない、というべきかな、私的には。

 

このブログの公式ジャンルには「死別」というのがないから、

(ジャンルの追加希望アンケートに出しておきましたよ)

なんとなくここに皆さん集まっておられるけれど、

でも書いておられる内容をよく見てみると、

ご伴侶を亡くされた方の、今の生活日記という方が大半な気がする。

亡くされたご伴侶のことはちっとも出てこない、という記事が大半な気がする。

特に死別後何年か経つとね。

もちろん、それはそれでいいのよ。

自分の書きたいことを自由に書けるのがブログのいいとこじゃない?

なにより、今、そしてこれからの生活が大事なんだし、ブログにあげることが生活の張りにもなるんじゃないかな。

なにしろ、私達には「聞いて、聞いて、今日こんなことがあったの」と気楽に話せる相手がもういないのだから、ここでみんなに聞いてもらいましょうよ。

 

一方、私はどうかな…。

 

私は、

やっぱりこのブログには夫に対する思いを綴っていきたい。

そんな、ずしーんと重くはなりたくないけどね。

時にはのろけだったり夫自慢になると思うよ。

ってか、今まで私の書いたの、ほとんどが夫自慢だけどね。

 

夫のことをいつまでも忘れない、という思い。

夫のことが、だんだん人々の記憶から忘れられていくことへの恐怖。

もちろん全く面識のない皆さんだけど、こんな人がかつてこの世に生きていたんだということを知ってほしいとの一方的な願望。

 

あの世に逝ってしまった夫だけれど、

私はまだまだこれからも、夫に対する愛情を形で示していきたい。

それは、お墓参りだとか供養とかいう形じゃなくって(それってちょっと違うと思う)

もう、この世の人ではなくなってしまった夫に私ができる事って…

 

文にして綴って偲ぶことかな。

そして、同じ境遇の方々に読んでもらうことかな。

 

…と、今はそう思っているので、

こんな、ひとりよがりのブログですが、

よろしければ今後もお付き合いくださいませ。