私は数年前にインフルエンザにかかったことがある。
その後半年ほどずっと、フワフワとした変な感じが抜けず、
これを後遺症というのか、体質までもが変わってしまった。
と言っても、決してマイナス方向に変わってしまったんじゃないよ。
具体的には
・食べても太らなくなり、痩せやすくなった。
・食の好みが変わった。
(↑甘いものより塩辛いもの、紅茶よりコーヒーを好むようになった。)
・いわゆる更年期症状というものがまったく出なかった。
今でも、油断しているとすぐ体重が落ちてしまう。
痩せるのは結構なことだけど、脂肪がない分、冬とにかく寒く感じる。
加齢もあるのかな。冬、何枚も着込むようになった。
その一方、夏の暑さにも弱くなった。
ぐったりして何も食べられなくなる。
つまり、体力落ちたってことかな。
身体は打撃を受けると、びっくりしてどこか変わってしまうのかもしれない。
精神だってそうかもしれない。
夫を亡くすという大打撃を受けた私の精神は、どこか変質してしまったような気がする。
攻撃的な負の感情がわかないの。
つまり、誰かを憎むとか嫌うとか嫉妬するとか…
そういう感情がわかない。
それはそれで結構なことよね。
だってこれってすごく楽なことだもの。
負の感情って、無駄にエネルギーを費やすから。
その負のエネルギーが、今すべて悲しみに向けられているような気がする。
まわりの人を、私基準でプラスとマイナスとに分けたとき(自動的に振り分けています)、
マイナスの人は、私の視界から自然と消えていくの。
自動的に人間関係断捨離しているのよ。
特に意識せずとも。
そんな感じ。
(そんなマイナスの人は滅多にいませんけどね。)
夫を亡くしてから、私の精神はいつの間にかこんな風に変わってしまった。
これって、どういうことかな。
たまたま私の周りには、そんなひどい人がいなかったわけではないのよ。
ここに詳しくは書けないような大変なことも実はあったの。
(たぶんそれ書いたら私の右に出る人はいないと思うよ。)
そのことを知っているある人は
「人間じゃないね!」と憤っていた程の人が、私に関わったこともあったの。
今思うととんだ災難だったわね。
客観的に見たら、私がこれまで出会った人の中で、最も低い人。
そう、
最も低い人なの。湖に深くふかーく沈んで私の視界から消えてしまうほどに。
私は憎しみとか湧いてこない。
何のエネルギーもその人に対しては向ける気にならない。
「あの人は私が相手にするようなレベルの人ではない」
と、どこか冷めた目で見ていて、
心の中でバッサリ切り捨てているの。
憎しみとかいうより…、
そうね、
どこか見下げた気持ちなの。
そして、私の意識の中からは消されてしまって、
「そんな人っていたっけ?」となるほど、忘れてしまうの。
これって、とっても楽よ。
自分で自分の心理を分析しているけれど、
たぶん、これって…
夫を亡くしてこれ以上ないほど心が傷ついて、
今もその傷口はふさがっていないから、
もうこれ以上傷を受けないように、
心が心を守っているんだと思う。
夫を亡くすことに比べたら、
人間関係の悩みなんてちっぽけなものだけどね。
そんなわけで、よく考えてみると、
夫を亡くしたことを除けば
今の私の人間関係は
と~っても楽です。