愛のカウンセリング

知り合いの女性Hさんが、昨年の年末に末期のすい臓ガンになられました。ステージは4。息子さんも9年前から知っており、ご活躍を耳にし、ほっとしていた矢先でした。

最初に病院へ伺った時に、大変なことになってしまったと、それまでの経緯や色々なお話を伺いました。

私の、家族の病気からの体験談や、色々学んできたことを交えながら、これからの事を話しました。

その時、お母さんは、こう言われました。
「ちょっと、これまで、必死に色々頑張りすぎました、、、。」

本当に片親で、必死に働いて、弱音も吐かずに頑張ってこられたのです。
何度かカウンセリングさせて頂いたのですが、とても真面目な頑張りやさんの方でした。

次に伺ったのは、年明けでした。
体調が良くなったら退院して、ゆっくりお正月をご自宅で過ごす願いも叶いませんでした。

私が伺うと、帽子を被られており、少し痩せられたご様子。オイルを持っていったので、オイルマッサージをしながら、お話を伺いました。すでに全ての治療は終わり、これ以上の手立てがないと、お医者様から言われたのだとおっしゃっていました。

すかさず、「では、西洋の医学ではやり尽くしたのなら、、ここからは、東洋、ホリスティック、免疫療法ですね!」と伝え、ハグしました。二人で沢山の涙が溢れました。

でも、来る日も来る日も、会っておきたい人に連絡をすると、みなさんが、「何でもするよ!いつでも駆けつけるよ!」と、口を揃えて言われるのだそうです。

だから、私は、「ピンチの時に、その人の価値がわかるものだと言われますよ。Hさんだからこそ、皆さんがそうおっしゃるのですよ!」と伝えました。

するとHさんは、しみじみと、「私は、有り難く、幸せものだと思います。」こうおっしゃられました。

自分の生き方を承認できる事にも繋がったようです。

体調が思わしくないなかでも、今、自分の為に、やりたいことはないかと質問しました。

すると、「自分で歩けるうちに、日本海の海が見える温泉宿で、露天風呂に入りながら海が見たい!ノドグロの焼き魚が食べたい!」
こうおっしゃられました。
少し先に、光がさしたようでした。
帰り際に、手をさし出され、笑顔で「温泉宿、連れていってくださいね!」とおっしゃられ、「探しますよ!」と、強く握手を交わしました。

もともとHさんは、ステージがここまで来ているのだから、化学療法はされないご意志でした。ですが、色々悩まれ、二人のお子さんの事を思い、化学療法を全て頑張ることに決めたのだそうです。
残される息子さん達が、何も治療をしないまま亡くなると、悔いが残ってしまい、後悔してしまうから、辛い治療も前向きに受けて、全てやり尽くして、、、の道を選ぶのだとおっしゃられてました。

母の強い愛に触れた瞬間でした。

親として出来ること、本当に考えての選択でした。

次に伺ったときには、痛みが強く、辛そうな状況でした。足にむくみが強く、足を高くしながら、楽な体勢でのオイルマッサージをさせて頂きながら、辛いところを擦りながら、海の見える温泉宿のお話をしました。

体調を思うと、日本海は遠いので、房総の海ならいかがですか?!と提案しました。
すると、「菜の花が咲いてますかね、みたいな」と。息子さんも「見たいね」と。

お顔色が、マッサージの効果なのか、いつの間にか明るくなり、眉間の寄っていたシワも緩んでいました。

息子さんから、「体と心の両方のケアが必要なのですね、、、勉強になります」とお言葉を頂きました。

手当てと言われますが、手のひらからは不思議なものが発せられているのかもしれません。

そのご、緩和ケアの眠りに入り、息子さんも付きっきりで最後まで看護されました。

そして、、、2日後に、Hさんは、息子さんに囲まれながら、天国に登って行かれました。

全うされました。

Hさんは、母の愛を、強さを、息子さんたちに、自分の在り方で示されたのですね。

今、菜の花畑をみたり、のんびりと海を眺めながら、ゆっくりされていることでしょう。

母の愛に包まれて、息子さんも、「ありがとう」と、お母さんに話しかけていました。
そして、お母さんの強さの姿勢に、尊敬しますと、、、。

息子さんとお話をしてきたのは、大変だけど、
勉強が来てるね、、、 学びの時が色々来るねと。あるがまま、受け止めながら、沢山の愛を学ばれました。

そして、いつか、お母さんの願いを叶えてあげてるそうです。いつまでも、変わらずお母さんの愛は、息子さんの心のなかにありますから。

日本海の海が見える温泉宿、
露天風呂に入りながら海を見に、、、。