20240128【三ツ瀬明神山★どこにも辿り着けず】② | 動的平衡

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たぶん道に迷わず安全安心な山歩きになることは想像に難くない。

ディスプレイに表示される地図をトレースし、道を逸れたら警告音が鳴る。

そのスタイルが好きか嫌いかは個人の問題。

迷いながら進むのにはもう慣れたし

道を逸れることがいつも悪いとは限らない。

スナフキンも言っている。

『何か試してみようって時にはどうしたって危険が伴うんだ』

 

大事なことは無事に帰ること。

今読んでいる本、구병모の『破果』(年老いた女の殺し屋の話です)に素敵な一節。

 

いってきます。

そんな挨拶、するなと言った人がいた。こちらに背を向けたままで。

それが、帰ってくるなという意味なのか

あるいは、帰ってきて当然なんだから

わざわざ言うなということなのかはわからなかったが

とうてい尋ねる勇気は出なかった。

「いって」―「こられない」とは、結局仕事に失敗したことを意味する。

そちらの方が望ましくない気はするが

一方で、「いって」「こられない」覚悟で仕事をしろという意味にもなりうるから

その人がどういうつもりであれ、彼女にとっては「いって」必ず「くる」という言葉こそ

仕事を成功裡に終わらせ戻ってこられるのだという確信を抱く助けとなり

だから、その挨拶をあきらめきれなかった。

それからは、背中を見つめながら声を殺して、口の形だけで伝えた。

いって…きます。

すると、確かに声にはしなかったのに

どういうわけか彼は相変わらず一瞥もくれないまま、一度大きく手を振った。

 

さて、山。

辿り着けないゴールに向かって、行けるとこまで行く。

そしてどこかで撤収の決断をする。

何とも曖昧な気分の山歩き。

 

14:35

突然視界が開ける。

「あの山かな?」

【望遠で覗くと山頂に電波塔】

 

14:44

ベンチがあったのでお昼ご飯。

【誰もいないのにカメラに向かって手を振る阿呆】

 

15:10

渡渉中の川が凍ってた。

 

15:20

《気を付けて進もうゾーン》に突入。

 

15:35

ロープを登りきると川。

もれなくカチカチ。

 

15:46

ヘッドライト、水、その他諸々…可能な限りリュックの荷物を軽くしてリスタートした。

日没までの下山が絶対条件。

時間を逆算する。

今日はここで撤収決定。

【サニブラウンのように駆け抜けます】 

 

16:32

日没前に下山完了。

 

岐路。

宇連川の水は水不足で渇水。

 

お疲れさま。

仕事終了。

帰ります。

帰ったら実家の母親のところへ。

15日から入院が決まりその準備。

明日は山(たぶん)。

素敵な3連休を。

お仕事の人、頑張って。

また来週!