明明や 明明明や 明明や 明明明や 明明や月① | 動的平衡

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同情するならアメをくれ!

 

明明や明明明や明明や 

明明明や明明や月

 

そう言えば、先週の土曜日の授業。

川端の『雪国』に入る前に教授が話してたの思い出した。

これも畳句歌。

【明】の字が12個!

あかあかやあかあかあかやあかあかや

あかあかあかやあかあかやつき

と、読みます。

川端がノーベル賞のスピーチで引用した和歌。

(スピーチ全文は講談社現代新書『美しい日本の私』になってます)

 

近・現代が専門で中世はほとんど知らないので少しだけ。

明明や明明明や明明や 

明明明や明明や月

は、鎌倉時代の僧侶、明恵の作。

明恵は京都の右京区栂尾(神護寺のちょっと奥、「鳥獣人物戯画」で有名な寺ですね!)で

高山寺を開山して、華厳宗中興の祖と呼ばれてる人。

 

桜をこよなく愛したのが西行なら

月をこよなく愛した明恵は「月の歌人」とか呼ばれたりしてます。

「凡そ仏道修行には、何の具足も要らぬ也。松風に睡りを覚まし、朗月を友として、究め来り究め去るより外の事なし」

とかで、厳しい仏道修行が当たり前の当時としては

かなり異端の坊さんだったのでは。

 

「仏眼如来の御前にして、念誦の次でに、自ら剃刀を取りて右の耳を切る。余りて走る血、本尊ならびに仏具、聖経等に懸かる」

ちょっと調べたら、こんな逸話も出てきたり。

ゴッホと同じ?