明明や明明明や明明や
明明明や明明や月
そう言えば、先週の土曜日の授業。
川端の『雪国』に入る前に教授が話してたの思い出した。
これも畳句歌。
【明】の字が12個!
あかあかやあかあかあかやあかあかや
あかあかあかやあかあかやつき
と、読みます。
川端がノーベル賞のスピーチで引用した和歌。
(スピーチ全文は講談社現代新書『美しい日本の私』になってます)
近・現代が専門で中世はほとんど知らないので少しだけ。
明明や明明明や明明や
明明明や明明や月
は、鎌倉時代の僧侶、明恵の作。
明恵は京都の右京区栂尾(神護寺のちょっと奥、「鳥獣人物戯画」で有名な寺ですね!)で
高山寺を開山して、華厳宗中興の祖と呼ばれてる人。
桜をこよなく愛したのが西行なら
月をこよなく愛した明恵は「月の歌人」とか呼ばれたりしてます。
「凡そ仏道修行には、何の具足も要らぬ也。松風に睡りを覚まし、朗月を友として、究め来り究め去るより外の事なし」
とかで、厳しい仏道修行が当たり前の当時としては
かなり異端の坊さんだったのでは。
「仏眼如来の御前にして、念誦の次でに、自ら剃刀を取りて右の耳を切る。余りて走る血、本尊ならびに仏具、聖経等に懸かる」
ちょっと調べたら、こんな逸話も出てきたり。
ゴッホと同じ?