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フィギュアスケートの髙橋大輔くんへの
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宝石赤大阪日日新聞
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NHK杯 高橋大輔 (上)

まだ100%ではない

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 11月8日、グランプリ(GP)シリーズ第4戦のNHK杯が国立代々木競技場第一体育館(東京)で開かれた。日本から男子は高橋大輔、織田信成、無良崇人、女子は浅田真央、鈴木明子、宮原知子、ペアは高橋成美/木原龍一組、アイスダンスはキャシー・リード/クリス・リード組が出場した。今回は男子シングル総合1位の高橋大輔(関大大学院)をクローズアップし、2回で連載する。(ライター・黒尾順子、写真撮影・森田正美)

 GPシリーズ初戦のアメリカ大会で、何度もジャンプへの不安と戸惑いを口にした高橋。しかし、「演技として自分はもっとできる。これから練習を積んで自信をつけていくしかない」と2戦目のNHK杯への雪辱を誓っていた。

 そして迎えたNHK杯初日のショートプログラム(SP)。最終滑走の高橋は、大声援を受けながらスタートポジションについた。プログラムは「バイオリンのためのソナチネ」。この曲は作曲家の佐村河内守氏が、義手でバイオリンを弾く少女のために作った祈りの曲。それを宮本賢二氏が振り付けた。

 ピアノの調べが流れた途端、高橋は音楽と一つになる。追ってバイオリンの音色が響くと滑走のスピードは上がり、課題だった4回転トーループを着氷。会場全体が沸いた。続くトリプルアクセル、3回転ルッツ-3回転トーループのコンビネーションジャンプも成功させた。スピン二つにレベルの取りこぼしはあったが、見せ場のステップはレベル4を獲得し、95・55点をマーク。この点数は世界歴代2位になるもので、自己ベストも1・55点更新した。「良い演技をすれば(良い)評価をもらえるという自信にはなった」と高橋は安堵(あんど)の汗を流した。

 「体の感じはいいのに、ジャンプのタイミングが合わない」と訴えたスケートアメリカからわずか3週間。スケーティング、ステップ、ジャンプで見せる本来の姿に復活を遂げたのはなぜか。その理由は五輪への思い、そしてその先の目標をより明確にしたことにある。

 スケートアメリカ後、高橋はニコライ・モロゾフコーチをはじめとする関係者に叱咤(しった)激励を受け、あらためて五輪へ向かう意識を強くしたという。「他の選手たちの調子もいいことから、本当にオリンピックに行けるのかという不安があった。オリンピックに向かう気持ちも他の選手と比べると少なかった」。そう気付いた高橋はさらに自己を追求した。「オリンピックに向けて、自分自身はどうしたいのか」-。つまり「心技体」の心、「使命」「構想」「価値観」の理念を見直した。その後、高橋はかつてないほど集中して練習に取り組んだ。「ひたすら、がむしゃらに練習をした。またそうすることで、より前向きにもなれた」

 もう一つ、大きな決断もあった。NHK杯出場に向け、プログラムの演技構成を変えて臨んだ。「変えたのは直前の火曜。ギリギリだった」。決断をしたのはニコライコーチ。演技構成に合わせた曲の編集もニコライコーチの手で行われた。実質的な練習期間はわずか3日。『チーム高橋』がどれほど濃密な時間を過ごし、NHK杯に臨んだのかは、このエピソードだけでも十分に伝わってくる。

 5年前に右足膝の前十字靭帯(じんたい)と半月板を損傷。手術をしたことで抱えた違和感と戦いながら、それでも自分の理想を追い求めてきた。今シーズンはスケーティングを一から見直して臨んだ。3度目の五輪、ソチへ。自分の納得できる演技へ、戦いはまだ続く。

 「(今回は)会心の演技はできたが、まだ100%ではない。今日の演技が理想(の演技)に近づけたかどうかは分からない。しかし、ここに来てみんなと戦える位置に来られたかなと思う」。高橋は最後にこう結んだ。
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