中庭健介さんのコラム「華麗な演技に秘める鈴木明子の強さ」 | 大ちゃんを全力で応援

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フィギュアスケートの髙橋大輔くんへの
思いや気持ちを中心に書いていきたいと思います。


「技術的にも素晴らしく、表現力も豊かで、なによりも感情がこもっていた。

アスリートではなく、もはやアーティスト」

と言っていたところは本当に納得ですね!

あっこちゃんは表情も豊かですから見ていて気持ちが良いんです。

大ちゃんのことが頭に浮かびました(*゚ー゚)ゞ

あっこちゃんと似ているな~て思うんですよね!

大ちゃんの表現力は他の選手には真似が出来ない別次元なんだと!!

表情も豊かだったり心に響く演技が大ちゃんには出来るから。

あっこちゃんも現役最後のシーズンとして

納得のできる演技が出来たらいいな~て思いますo(^-^)o



中庭健介さんのコラム挙がっています。

http://www.athlete-journal.com/winter/kensukenakaniwa20131027.html/2

華麗な演技に秘める鈴木明子の強さ
グランプリシリーズ第2戦 スケートカナダ 女子フリー

元フィギュアスケーター 中庭健介


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 カナダ大会に出場した鈴木選手は見事2位に入り、グランプリファイナルに向けて良いスタートを切った。

 現役時代、私は鈴木選手と共に練習をしてきた仲である。それは一時、同じ長久保先生に教わっていたこともあり、数年間を共に頑張ってきた。ゆえに、見ていてついつい力が入ってしまった。

 まずショートプログラムの曲。ボーカル入りの曲を編集した「愛の賛歌」だ。これはすごく有名な曲で、色々な人がカバーして歌っている。歌入りのイメージが強く、ひとつのチャレンジだったと思う。

 個人的な意見だが、ショートに使うのはもったいないくらいの作品に仕上がっていた。事実かどうかは確かではないが、この曲を使ったのは、恩師である長久保先生がものすごく好きな歌であるからだと聞いた。

 それがうれしい。私は現在、コーチとなり指導者としての立場にあるが、もし選手が自分の現役最後のプログラムの音楽に恩師の好きな曲を躍ったならば。想像すると泣けてくる。

 イメージの強い曲は、その曲自体が選手の個性を覆ってしまう。ゆえに難しいと言われている。だが「愛の賛歌」は、「鈴木明子」の個性とものの見事にマッチし、素晴らしいものであった。技術的にも素晴らしく、表現力も豊かで、なによりも感情がこもっていた。アスリートではなく、もはやアーティストだ。感情が伝わってきたし、生で見ていたら涙が出るのではないかというほどの演技だった。

 順位こそショートは3位だったが、技術点で負けていただけであって、芸術点(演技構成点)では断トツの評価。ほぼすべての点数が8点台に乗せていた。

 技術的には大きなミスはほとんどなく、唯一、3回転3回転のコンビネーションジャンプの後のジャンプが少し回転不足だった。これ以外に非の打ちどころのない演技で、スピンもステップシークエンスも高いレベルを取って、なおかつGOE(出来栄え点)も高い評価だった。

 しっとりとした始まりから徐々に激しく、強くなっていく様がよく表現されていて、感情が前面に出た良いプログラムだった。見ている人の視覚ではなく、心に響く演技だった


フリーは誰しもが知っている曲「オペラ座の怪人」。幾多のトップスケーターが、これを滑ってきた。近年でいうとパトリック・チャン、高橋選手が使用していた。

 音楽は聞いただけで何かを思い描いたりする。その曲が流れ始めた瞬間に往年のスケーターであったり、忘れられないプログラムを演じたスケーターのことをふと思い出すこともあると思う。比べてはいけないが、どこかでそれを比べてしまう。だから歴代の世界チャンピオンが使用したプログラムはなかなか使えない。トップスケーターであってもそれは考えるだろう。

 そのなかでこれをチョイスする、しかも最後のプログラムにするというのは鈴木選手だからこそできたのではないかと思う。それを覆す自信もあったのだろうし、それが出来ていた。

 技術的には、冒頭のジャンプでミスをしてしまった。だがそのあとは、ほぼパーフェクト。これも強いところ。そこから並の選手だとミスをしてしまったり、心が動揺してしまうが、それが微塵も感じられない。これはトップスケーターの共通の部分でもある。

 フリーのステップやスピンもレベル、GOE共に高い評価を得て素晴らしかった。後半はところどころ回転不足の判定があったり、踏み切りによる減点があったが、トータルとしてほぼ大きなミスがなく、滑りきれたところが大きかった。

 今年のフリープログラムの内容は、まさに攻めた内容だった。トリプル・トリプルこそないが、ダブル・トリプルであったり、高い点数がもらえる3回転ルッツジャンプ、3回転フリップジャンプを2本ずつ入れるという高いレベルのプログラムの構成になっている。

 これほど芸術性に富んだスケーターは、芸術で勝負にいきたいところだが、さらに高いレベルを求めている鈴木選手は、技術的にも濃いものを入れ、さらに上の次元のプログラムをもってきた。オリンピックに対するものすごい決意が感じられた。

鈴木選手の特徴として、芸術点が高く、他の選手よりも5、6点の差がある。さらに5つの項目のなかのひとつに「音楽との調和」というものがある。5つの項目の中でこれが一番高い評価を得ていた。これはなかなかいない。鈴木選手は音楽に合わせているのではなく、音楽をむしろ高めている。そういった次元まで来ている。

 さらに表情も豊かで、音楽に対して体だけではなく、表情まで演じきっている。見ていて4分間が短く感じた。このような感情の豊かな鈴木選手は、まさにドラマティックスケーターだ。

 次戦も優勝を目指して、ぜひ福岡で再会したいものだ。