こんにちは!


今朝、何度やっても、記事のUPができませんでした・・・ショック!


こんな遅い時間の更新となりましたが、


月曜恒例、2月18日の中日&東京新聞夕刊、


「紙つぶて」を原文でご紹介します。


++++++++++++++++++++



『アナウンス』

名古屋からの仕事帰りに新幹線で眠っていた。

すると、男性の声で車内アナウンスが流れた。


「間もなく富士山です。普段のこの時期なら見えるはずですが、

今日は雲が厚いため全景が見えません。次回ご旅行の際、ぜひご覧ください。」 

慌てて窓から探してみたが、やはり富士山の姿はなかった。

最近始めたサービスなのかアドリブなのか分からないが、

わざわざ起こされた上に「今日のあなたはアンラッキー」と言われたような気になる。

そして、次回は是非、と勧められても、天気の保障もない。


せっかくのサービスにケチをつけてはいけないが、

タイミングとは実に難しいものである。

このケースは、臨機応変に富士山が見える日だけにしてはどうか。

全景が拝めれば、「よくぞ教えてくれた。気が利いているな」となるだろう。


外国人観光客のために英語のアナウンスもつけてはどうか。

彼らが最も楽しみにしている一つであるが、

のぞみではそのタイミングを計るのは難しいだろう。

機内アナウンスで感心したこともある。

機長のアドリブだったが、「現在の飛行高度は3万5千フィート、

ええ、ちょうど、富士山3個分となりますでしょうか」。

なるほど、分かりやすくてタイムリー。

高所恐怖症の私には実感が湧き過ぎて困ったが。

このように一歩外に出ると、参考になる事例で溢れている。

私自身、アナウンスの内容とタイミングについて日々勉強中である。

(木場 弘子=キャスター、千葉大学教育学部特命教授)