今月から東京新聞と中日新聞にコラムを書かせて
頂いていています。
夕刊に『紙つぶて』というこーナがあるのですが、
毎週土曜を担当することになりました。
掲載エリア以外の方にもお読みいただけるよう
元の原稿を掲載することにしました。
掲載されたものは紙面の関係で原文よりやや短くなってしまうのですが、
ここにはカット前の物を載せるように致します。
それで、ほぼ『紙つぶて』です(*^_^*)
昨日のブログにも1年が早いというお話を書きましたが、
毎週、コラムがあると1週間が早い!と感じます。
ネタを考えるのが結構、大変なのですが、
頑張ろうと思います!!
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「伝える難しさ」
今年は年女である。
36と間違われるといけないので、
はっきり書いた方が良いかと夫に尋ねたが、
その心配はないときっぱり。
新年早々さざ波が立った。
物事をわかりやすく伝えることは難しい。
発信者は伝えたつもりでいても、
受け手には伝わっていないことが多々ある。
わかってもらうための工夫には際限がない。
40代になってから生活者の立場で国の審議会に
参加する機会が増えたが、わかりにくさに戸惑う。
一番困るのは、その領域では常識でも、
一般ではそうではないと認識せず、専門用語を
バンバン使って会議を進められることだ。
開かれた会議として、国民の理解を得たいのであれば、
誰が読んでもわかる議事録でないといけない。
データの解読も難しい。
最近は目標値をはっきり打ち出すのは良いのだが、
その数字が意味するもがよく分からない。
一体、現状はいくつなのか?
それより何%の向上を目指すのか?
それはどの程度困難なことなのか?
しかし、データも工夫次第では腑に落ちる。
何年か前に農水省の会議で、日本の家庭から出る
食料廃棄量が年間千百万トンというデータをもらった。
凄い量とは思うが、全く実感が湧かない。
しかし、一人当たりにすると変わる。
私たちは一人年間84キロ食べ残す。
これは世界の食糧援助の約2年分になるという。
得た情報は実感できて初めて、生きた情報に変わる。
「ともかく具体的に動いてごらん 具体的に動けば
具体的な答が出るから」私の好きな相田みつをさんの詩だ。
伝わるコラムとなるよう努めたい。
(木場 弘子=キャスター、千葉大学教育学部特命教授)