熱燗、皆さんはお好きでしょうか?
僕は元々お燗大好きなのですが、お酒の好みに波があってしばらく熱燗から離れてました。
ところが昨年から自分の中での熱燗ブームが再燃してまして、イベントなどのお話をいただいた時は、コンセントの有無を確認して可能な限り酒燗機を持ち込んで熱燗をご提供するということをやっています。
先週、気仙沼のなじみのお店の店主さんからお声がけいただいて、熱燗NIGHTというイベントをゲリラ的に実施しました。
僕がうちの蔵のラインナップから熱燗向きのお酒をチョイスし、酒燗機を使ってそれをおすすめの温度やお客さんの好みの温度に燗付けして提供するというものです。
実施したお店は気仙沼の沖縄料理店「Ten(T)」(テント)。
沖縄料理店なのでオリオンビールや泡盛がメインのお店ですが、店主さんが日本酒も好きな方でよくこっそり仕入れた日本酒を出していただいたりしていました。
(ちなみにここはお料理全般、特にソーキそばが美味しくて週一で通ってます。僕のおすすめは今の時期限定の「牡蠣そば“赤”」です)
そんな中、先月初めに以下のようなやり取りが。
店主さん「最近寒いんで、熱燗飲む会やりたいなーって常連さんと話してたんですよねー」
僕「いいですね!じゃあ本格的な熱燗の会やりますか!」
こんなゆるい経緯で実施が決まったのであまり事前告知等もせず、お店の常連さんにお声がけしたのと、当日にFacebookでイベントページを作ったくらい。
結果としては最後まで途切れずお客さんに来ていただくことができました!!
人によっては1人で八合飲んだ方もいたくらい笑
残波ののれんの前で日本酒の燗つけをするというカオス感。。。
しかも実はデジタル温度計を新調していたんですが、まさかの電池別売な上に電池カバー外すのにめちゃくちゃ小さいプラスドライバーがいるっていう罠にハマってしまいお店から昔ながらの水銀温度計を借りて燗つけしました。笑
熱燗と合うつまみということで、海藻の酢の物、もつ煮込み、たまこん。
この他に沖縄風おでん(豚足入り)もあって、それも◎。
熱燗を飲むにあたっては酢の物の存在が馬鹿にできないことを再認識させられました。
メニューはこんな感じ、お代は1合でこの設定なので高くはないかと。
気軽に頼めて、かつ安すぎないところを狙った設定だったのですが、むしろ来ていただいた飲食店をされているお客さんに「安すぎ!」と言われるという。。。
「こだわった温度で燗つけをするひろきくんに対する技術料が入ってないよ!」なんて嬉しいお言葉もいただきました。
今回はうちで造っているお酒の中から以下のお燗向きな3種類をご提供。
・蒼天伝 特別本醸造
気仙沼ではかなり一般的に出回っているお酒ですが、ほとんどが冷酒、常温でのご提供なので意外とお燗が美味しいことを知っている方は少ないです。
味わいとしては雑味が少なく、キレのある味わいで、その分お燗にした時に癖がなくするすると飲んでいける1本。
・美禄 特別純米 真冬の生貯蔵 瑞雪の雪あかり
うちの季節商品で冬のお酒です。元々は冷酒をお勧めしていて、甘味、酸味、旨味、苦味が渾然一体で感じられるような複雑な味わいのお酒です。熱燗にすることで甘味と酸味が特に際立つようになり、ポップな味わいのお燗になります。
・気仙沼男山 特別純米
「The 酒」というようなクラシカルな味わいの純米酒で、甘味、酸味が少なくいわゆる辛口なタイプのお酒です。50度くらいまで温度を上げると、味が急激に柔らかく開くポイントがあり、そこまで上げきってからの燗冷ましが抜群に美味しいお酒です。
よくお燗を飲むと頭が痛くなるとか二日酔いになるとおっしゃる方もいらっしゃいますが、これは化学的な根拠がありません。
ハッキリ言って単純にキャパを超えた飲み方をしてしまっているだけです。
むしろその逆です。
冷酒や常温の場合、アルコールの分解吸収が遅いため、体の機能的にはキャパを超えてしまっていても体感的には飲み続けることができてしまいます。
そろそろ酔ったなと感じる頃にはすでに体感以上の量のアルコールを摂取しているわけです。
それに対しお燗ではアルコールの吸収が早いため、酔ったなという時に飲むのをやめておくと次の日に影響のない、程よいところにとどめることができます。
その他にもお燗は本来日本酒がもつ体を温める効果を高めるなどの体に良い点も多くあります。
あとは単純に、冷酒、常温、熱燗で同じお酒でも違う表情を見せてくれるというのが日本酒の魅力ですよね。
ということでいつも以上に熱く語ってしまいましたが、本日の熱燗談義はここまで!